瞬間英作文はスピーキングに効く! 「力があるのに話せない」を打開しよう
「英語の読み書きはできるのに、話すことが極端に苦手」「頭のなかで英文を組み立てられるのに、スラスラ声にだせない」
英語学習者にとって最難関の壁となっているスピーキング。あなたも同じような悩みを感じたことがあるはずです。
この壁を打開するなら、「瞬間英作文」がおすすめ。
瞬間英作文は、英語の思考回路を鍛えて言いたいことを英語で表現できるスキルを磨くことができます。
この記事では、瞬間英作文の具体的なやり方やおすすめの参考書、瞬間英作文とセットでやりたい勉強法などをわかりやすく解説。
瞬間英作文で「力があるのに英語が話せない」という悩みから、そろそろ卒業しませんか?
Contents
瞬間英作文とは?
まずは、瞬間英作文の基本を振り返ってみましょう。
瞬間英作文とは?
瞬間英作文とは、日本語の文章や表現を1秒〜2秒以内ですばやく英語化するトレーニングのこと。比較的かんたんな英文を大量に声に出して作ります。
なぜこのようなトレーニングが必要なのか?
例えば、英語で自分のおすすめの本を紹介する場面があったとしましょう。
「この小説は多くの人に読まれています」ということを伝えたいときに、英語が話せない人の多くは、
- 主語は「この小説」だから”this novel”が一番前にきて…
- 「読む」は”read”だから主語の後ろにこれをもってきて…
- でも「読まれている」で受動態になるからbe動詞もいるし…
という思考に時間を費やしてしまい、会話がスムーズに続きません。
ちなみに先ほどの答えは「This novel is read by many people.」です。中学校で習った簡単な英文ですが、会話になるとスムーズにでてこない人が多いのです。
このように「頭ではわかっているのにスラスラと声にでてこない」「紙に書けば簡単なのについ言葉につまってしまう」という人でも、瞬間英作文でトレーニングすれば英語の思考回路が身につきます。
日本語を英語の文章に組み立てなおす作業が限りなくゼロになり、一度身につけた英文や同じ構造の英文をスラスラと言えるようになるはずです。
瞬間英作文で期待できる効果
瞬間英作文で期待できる効果について、具体的にみていきましょう。
日本語脳→英語脳への切り替え時間を短縮
瞬間英作文は、日本語の思考回路を英語の思考回路にすばやく切り替える効果があります。
英語を話せない人の多くは、頭のなかで日本語を英語に置き換える作業に時間を費やしてしまいますが、瞬間英作文でその作業を限りなくゼロに近づけることが可能。
英語を英語のまま考えることができるようになり、いわゆる「英語脳」の獲得に繋がります。
自然と文法や語彙を記憶に定着させられる
瞬間英作文では大量の英文を作るため、さまざまな文法や語彙に触れることができます。
さらに継続的に練習することで、よく使う文法や語彙が記憶に定着し、「あの単語なんだったっけ?」と思い出す時間が不要になります。
使いたいときにスラスラと頭から出てくる状態にできるため、余計な思考に時間を費やすことがなくなるのです。
つまり、スピーキングの向上に期待できる
瞬間英作文で英語脳を獲得し英語の基礎知識を定着させれば、スピーキング力が驚くほど向上。スラスラと英語が口からでてくるようになります。
瞬間英作文を続ければ続けるほど、表現のレパートリーも増え、長い文章や難しい表現なども話せるようになるはずです。
「英語をスラスラ話せるようになりたい」と思うなら、瞬間英作文は絶対に取り組みたいトレーニングと言えるでしょう。
イングリードが推奨する瞬間英作文の教材
ここからはイングリードがおすすめしたい、瞬間英作文の教材を紹介します。
瞬間英作文には、日本語文と英語文をすばやく見直せるテキストが最適。ここで紹介する教材は、瞬間英作文のために作られた教材なので、瞬間英作文のやり方に迷うこともありません。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
瞬間英作文のバイブルともいえる「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」。
この本は、左側に日本語文、右側に英語文が掲載されており、文章の日本語訳と英語訳をかんたんに確認することができます。
中学英語の内容に特化しており、中学1年生レベル〜中学3年生レベルまで順序よく並んでいます。
さらに、文章のタイプごとにページを分けて掲載されているため、同じ構造の文をまとめて理解することができます。
瞬間英作文にはじめて取り組む人におすすめの一冊です。
スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
こちらは「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」の応用版。
本の名前の通り文章がシャッフルされているため、1ページの中でさまざまなタイプの文章に触れることができます。
ランダムに瞬間英作文の練習ができるため、瞬発力を鍛えることができるでしょう。
瞬間英作文にはじめて取り組む人は「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」をひと通りやり終えてから、こちらの「スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング」に挑戦してみるとスムーズに英語の思考回路を養えるはずです。
瞬間英作文のトレーニング方法
ここからは瞬間英作文のやり方について、詳しく解説していきます。
日本語→英語のスイッチをすばやく切り替えるイメージで、スラスラと口から英語が出てくるようになるまで練習を続けましょう。
教材1周目(学習目安の速度:1ページ6分)
①意味理解と音読 1周
まずは英文の構造や意味を理解するところからはじめてみましょう。
文法や単語の意味を理解せずにはじめてしまうと、英文の暗記になってしまいます。この文を英語にするとなぜこのような並びになるのか、をしっかりと文の構造を理解しながら進めてください。
しっかりと意味を理解したら、次は音読に挑戦してみましょう。
英語の音声がある場合は、お手本として音声を聞き発音やイントネーションを意識しながら音読すると良いでしょう。
音読は7〜10回程度を目安に、教材を見ながらスラスラ言えるまで練習してください。
②瞬間英作文 5周
いよいよ瞬間英作文のスタート。教材の日本語文をみて、それに合う英文をどんどん作っていきましょう。
1ページにつき、瞬間英作文を5周します。例文が10個ある教材ならば、10×5周で50回瞬間英作文をすることになります。
このとき注意してほしいのが、暗記に頼らないこと。
頭のなかのスイッチを日本語→英語に切り替えるようなイメージで、1〜2秒ですばやく英作文することに集中してください。
③間違えた問題をチェック
最後のステップとして、間違えた問題をチェックしてみましょう。
1ページにつき瞬間英作文を5週続けて、すんなりと英語がでてきたものもあれば、出てこなかったものがあるはずです。文法や時制のミスがなかったかをしっかりチェックしてください。
a/anとtheを間違えてしまったり、goodとgreatのように似たような意味の単語を間違えてしまった時は、あまり気にする必要はありません。
冠詞などは会話の状況によっても変わってくるため、教材の例文はあくまでも参考として位置づけておくべきです。
重要なのは、文法や時制を意識すること。「過去の出来事なのに動詞を現在形のまま使っていた」「不定詞のtoを入れ忘れていた」など、間違えてしまうと文章そのものが成り立たなくなったり、異なる意味になってしまう箇所を重点的にチェックしてください。
教材2周目
①瞬間英作文 5周
教材2周目は、瞬間英作文のスピードを極めて、それを頭に定着させるとても重要なフェーズです。
1周目と同じやり方で、1ページにつき瞬間英作文を5周まわしていきましょう。教材を一気にやり終えようとせず、1ページずつ丁寧に取り組んでください。
1周目で瞬間英作文に慣れたといって、機械的な作業にならないように注意。
実際にその英文を使うところをイメージしながら、ハキハキと大きな声をだすことが上達のコツです。
②間違えた問題をチェック
1周目と同じやり方で、間違えた問題をチェックしましょう。
スラスラと英語が出てこなかった箇所にマークを付けておくと、3周目以降がやりやすくなります。
教材3周目以降
チェック問題のみ瞬間英作文 各問5回
最後は、2周目で間違えた箇所だけピックアップ。それぞれの文章で各5回ずつ瞬間英作文に取り組みましょう。
目安としては、90%以上スラスラと瞬間英作文ができていれば合格。もしも達成度が低い場合は、根気よく4周目に挑戦してみましょう。
瞬間英作文の最終目標
最終的には、英語の思考回路をしっかりと獲得できるまでトレーニングすることが重要です。
そのためにも、1つの教材を何周も繰り返してすばやく英作文できる思考を鍛えましょう。
トレーニングを積むことで数十〜数百以上の英文をすばやく作れるようになります。
大量に瞬間英作文ができるようになれば、もちろん会話のレパートリーも見違えるほど増えます。
「力があるのに話せない」という状態を打開するためにも、とにかく瞬間英作文を続けて英語の思考回路を身につけましょう。
瞬間英作文の注意点
瞬間英作文の効果を最大化するためには、いくつか注意点があります。
「瞬間英作文をやってみたけれど効果がなかった」とならないように、あらかじめ注意点をおさえておきましょう。
間違った瞬間英作文のやり方
案外やってしまいがちな瞬間英作文のやり方を紹介します。すでに瞬間英作文に取り組んでいる人なら、自分が間違ったやり方で進めていないか確認してみましょう。
①センテンスを丸暗記してしまう
絶対に避けたいのがセンテンスの丸暗記です。
丸暗記になってしまうと学生時代のテスト勉強をしているようなもので、短期記憶として大量の英文を脳に刷り込んでいるだけになってしまいます。
丸暗記をすると時間とともにセンテンスを忘れてしまい、1ヶ月後にはほとんど忘れていることでしょう。
何度も言いますが、瞬間英作文はセンテンスの丸暗記ではありません。英語の構造を理解し、すばやく頭のなかで英作文することが重要。
「丸暗記になっていないか?」と、自分の瞬間英作文のやり方を定期的に見直してみてください。
②教材を何周もせずに終えてしまう
次に注意したいポイントは、教材を繰り返し取り組まずに終えてしまうこと。
瞬間英作文は比較的かんたんな文章からスタートするため、教材を1回をやってみて「このレベルなら何度もやる必要はない」と感じる人が多いようです。
しかし、たった1回教材をやり終えただけでは、英語の思考回路を鍛えるには圧倒的に練習量が足りません。
まずは教材を3周やり終えることと、間違えた箇所は重点的に見直すことにフォーカスしながら、瞬間英作文に取り組んでみてください。
③丁寧に取り組まない(例:声に出さないなど)
最後はどの英語学習にも共通することですが、丁寧に取り組まないことが挙げられます。
声に出さなかったり間違った文章の見直しを怠ってしまうなど、いい加減に取り組むことは瞬間英作文の効果を半減させてしまいます。
せっかく時間と労力をかけて取り組んでいるので、誰しも最短スピードで効果を実感したいはず。
そのためには、この記事で紹介している通りのやり方をしっかりと守って瞬間英作文に取り組むことが大切です。
瞬間英作文のデメリットも把握しよう
瞬間英作文は、英語のスピーキング力を上げるために有効なトレーニング。
その一方で、いくつかデメリットもあります。瞬間英作文のデメリットとメリット
両方を理解したうえで、自分の英語学習の目的に応じて瞬間英作文に取り組んでいきましょう。
TOEICなどのテスト対策には不向き
「瞬間英作文で英語の思考回路を鍛えればTOEICスコアが上がる」と考えてしまう人が多くいますが、瞬間英作文はTOEIC対策には向いていません。
絶対に役立たないということではありませんが、TOEICスコアを上げるためならもっと効率的な学習方法があります。
そもそもTOEICはリスニング&リーディングのスキルを測るための試験ですので、瞬間英作文で鍛えたスピーキング力がTOEICスコアに直結するとは考えにくいのです。
ですので、TOEICスコアを上げることと英語が話せるようになることは別物と考えて、自分の目的にあった勉強方法を選択することが大切です。
継続して取り組むには根気が必要
瞬間英作文は即効性のあるトレーニングではないため、効果を実感できるまである程度の時間と練習が不可欠。
そのため、スピーキング力の向上を実感するまではかなり根気が必要です。
挫折してしまう人も多くいますが、諦めずに瞬間英作文に取り組めば「英語が話せない」という悩みを必ず打開することができるはずです。
英語学習の目標やゴールを思い出して、モチベーションを維持するよう心がけてください。
日本語→英語の癖がついてしまう可能性
瞬間英作文をするときに、日本語の文を英語に訳すような感覚で取り組んでしまうと、日本語→英語の癖がついてしまう可能性があります。
これを避けるためには、日本語の文字を英語に翻訳するのではなく、実際にその表現を使う場面のイメージと英文を結びつけるようにしてください。
最終的には、日本語の思考回路を限りなくゼロに近づけることが目標です。
すばやく英語の思考回路にスイッチを切り替えて、英語で言いたいことをまとめられるように心がけるようにしましょう。
瞬間英作文はどんな人におすすめ?
瞬間英作文は、英語学習中級者以上の人や大人になって英語をはじめた人に特におすすめ。
①中級者以上の人に瞬間英作文はおすすめ
「基本的な文法や単語は理解できる。でも英語が話せない」というような英語学習中級者以上の人は、ぜひ瞬間英作文にチャレンジしてみてください。
中級者以上であれば英語の基礎知識があり、瞬間英作文に取り組む材料はすでに準備できている状態です。
あとは瞬間英作文で英語の思考回路を身につけるだけ。
瞬間英作文を根気よく続けて数百個もの英文が作れるようになれば、スラスラと英語を話せるようになるでしょう。
②大人になってから英語をはじめた人におすすめ
瞬間英作文は、大人になってから英語学習をはじめた人にもおすすめ。
大人になって英語学習を再開した場合、多くの人が中学・高校の英語学習方法を引きずってしまいがち。
知識や理屈ばかりを頭に詰め込み、英語を話すためのトレーニングが不足しているはずです。
そんな人は、瞬間英作文で英語の思考回路を鍛えて英語を使いこなう練習をしてみましょう。
瞬間英作文を続ければ、「勉強しているのに英語が話せない」というフラストレーションから抜け出すことができるはずです。
瞬間英作文とセットでやりたい勉強法
スピーキングだけでなく、総合的に英語力を上げるためには瞬間英作文だけでは不十分。
瞬間英作文と相性の良いほかのトレーニングも合わせて取り組むと、バランスよく英語力を鍛えることができるでしょう。
リエゾンなどの発音知識の習得
見過ごしてしまいがちなのが、リエゾンなどの発音知識。
発音知識は、英語で円滑にコミュニケーションをとるために絶対に身につけておきたいスキルです。
発音知識が身についていないと、相手の話をしっかり聞き取れなかったり、日本人特有のカタコト英語が相手に伝わらないこともしばしば。
つまり瞬間英作文で言いたいことは言えるようになったのに「英語が伝わらない」という問題が発生してしまいます。
そうならないように発音知識はできるだけ早めに習得しておくことをおすすめします。
こちらの記事でリエゾンなどの発音知識について詳しく解説しているので、ぜひこの機会に瞬間英作文と合わせて発音知識にも目を向けてみてください。
5ステップ・シャドーイング
シャドーイングとは、聞き取った英語をそのまま声にだすトレーニングのこと。
英語を聞き取る・理解する・声にだすというフローを自動化させ、英語の情報処理能力を飛躍的にアップさせる効果があるため、リスニング力を鍛えるのに最適です。
特にイングリードが開発した5ステップ・シャドーイングなら、誰でも正しいシャドーイングのやり方を身につけ、より効果的にリスニング力を上げることができます。
英語でスムーズにコミュニケーションをとるためにはリスニング力とスピーキング力のバランスが重要。そのため、シャドーイングでリスニング力を鍛えて、瞬間英作文でスピーキング力を磨くというやり方はとてもおすすめです。
こちらの記事で5ステップ・シャドーイングの詳しいやり方や期待できる効果、注意するポイントなどについてわかりやすく解説しています。
ディクテーション(ディクトレ)
ディクテーションとは、聞き取った英語を書き起こすトレーニングのことです。
英語を細部まで聞き取って一言一句書き起こすため、英語を聞き取ることの集中力が鍛えられリスニング力の向上に役立ちます。
シャドーイングとディクテーションはどちらもリスニング力の向上に効果がありますが、
ディクテーションはより細かいところまで聞き取るスキルを鍛えてくれる、という点が特徴的です。
ディクテーションのやり方として、イングリードでは「ディクトレ」というディクテーション専用の無料アプリを使ったやり方をおすすめしています。
アプリならスマホがあればいつでもどこでもディクテーションに取り組むことができ、移動時間やスキマ時間でもリスニング力を鍛えることが可能。
無料であんなに優秀なアプリはほかにありません。「ディクトレ」を使わないなんて正直もったいないレベル。
こちらの記事でディクテーションの効果や詳しいやり方、そしてディクトレの使い方をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
オンライン英会話
英語が話せるようになるには、実践練習で鍛えるのがもっとも有効な手段。
瞬間英作文でスピーキングのレパートリーを増やしたら、オンライン英語コーチングでリアルなコミュニケーションの練習をしてみましょう。
オンライン英会話なら、場所や時間を問わずに英会話クラスを受講することがすることができますし、1回のレッスン料も格安なので気軽に取り組むことができます。
さらに定期的にオンライン英会話で実践練習を積むことで、瞬間英作文の効果を実感したり自分の弱点を知ることができるようになります。
こちらの記事ではオンライン英会話で成果をだす秘訣や、効果が出ない人の特徴などまとめて紹介。
瞬間英作文で言えることのストックを増やして、オンライン英会話で日々の成果を試すというやり方で、スピーキング力をどんどん伸ばしていきましょう。
まとめ:瞬間英作文で「力があるのに話せない」を打開しよう
「頭ではわかっているのにスラスラと声にでてこない」「紙に書けば簡単なのについ言葉につまってしまう」
英語を話すための基礎知識はすでに身についているのに英語が話せないという人はとても多くいます。
力があるのに話せないという人が迷わず取り組むべきトレーニングは「瞬間英作文」です。
瞬間英作文で英語の思考回路を作り、大量に英文のレパートリーを増やすことで、誰でもスピーキング力を伸ばすことができます。
- 教材を3周以上繰り返して英語の思考回路を鍛えること
- 実際に話す場面をイメージしながら大きな声で話すこと
- とにかく瞬間英作文の練習を継続してやり込むこと
この3つをしっかりと守って「英語がスラスラ話せるようになる」という目標を達成しましょう。
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