格安の英語コーチングは地雷? 安くても結果がでる英語コーチングとは
レッスンの提供だけではなく、自習学習の支援サービスで短期間で、効率的に英語力を向上させることができると話題の「英語コーチング」。
大手企業のサービスは月額20万円と、格安で留学できるフィリピン留学の費用と同等ながら、多くの外資系や国外進出している企業のビジネスマンによって利用されています。
その一方で、最近では月5万円〜の「格安英語コーチング」も登場してきました。
なぜ、大手英語コーチングと格安英語コーチングで、そこまで大きな値段の差があるのでしょうか?
この記事では、大手英語コーチングの料金の秘密と、格安英語コーチングの実態について解説していきます。
Contents
英語コーチングで発生する料金
まずは英語コーチングサービスを利用する際に発生する各種料金について確認していきましょう。
英語コーチングの入会金
英語コーチングの申し込みには多くの場合、入会費が必要になります。入会金は各社によって大きく違い、比較的高額なところでは5.5万円となります。
通常の英会話教室と比べて、サービス開始前にカウンセリングやレベルチェックテスト、目標達成に向けた学習カリキュラムの作成と、サービスが手厚い分、入会金が高めに設定されてる傾向があります。
英語コーチングの教材費
大手企業の英語コーチングの場合は自社開発教材を採用し、格安英語コーチングの場合は書店やネットで購入可能な市販の教材を利用するケースが多いようです。
教材費は英語コーチング各社、利用期間やコースによっても異なりますが、教材の相場は5,000円〜となります。自社開発のオリジナル教材を使用する場合は、市販の教材と比べると価格設定が高めになっている場合もあります。
オリジナル教材が市販教材よりも質が高いとは限りません。むしろ、日本の市販教材の質はかなり高く、選択肢も豊富になるので、レベルや目的に合わせてアレンジをする幅が広くなります。
また、オリジナル教材は英語コーチングサービスを解約した後には、継続して利用していくことが難しいこともあり、英語コーチング終了後も英語学習を継続していく人や契約期間が短い人にとっては、市販教材の方が良いかもしれません。
英語コーチングの受講費(一括 or 毎月)
英語コーチングの受講費用には一括払いと月々払いがあります。
2〜3ヶ月の決まった期間に学習時間を集約する「詰め込み型」の場合は、一括支払いを推奨していることが多く、相場はおおよそ3ヶ月で55万〜(17.5万円/月)となります。
分割支払いも可能ですが、キャンセル時の返金算出方法が変わったり、そもそも個人経営に多い格安英語コーチングでは分割の利用ができない場合もあるので注意が必要です。
月額固定のサブスクリプション型の英語コーチングでは、毎月のコーチング費用は決められており、自動引き落としになります。
英語コーチングの延長料
2〜3ヶ月で英語学習を集約する「詰め込み型」の英語コーチングは、最初に目標設定の面談を実施します。そこでもし、設定した目標に到達できなかった場合は、延長を検討することになります。
延長する場合は、支払ったサービス利用の週割り(or月割り)になることが多く、延長料金を支払う必要があります。
なかにはTOEICスコア保証など、いくつかの条件をクリアしたうえで、目標達成できなかった場合は延長料金が無料になる場合もあります。しかし、レッスンを受講している場合や、新しく教材を購入する場合には追加の支払いがあります。
期間が設定されていない「サブスクリプション型」の場合でも、目標設定の面談はサービス利用開始前に実施されます。延長という概念はないので、自分のペースで継続・退会の判断を柔軟にすることができます。
英語コーチングでかかるその他の費用
英語コーチングのコンサルタント費用
英語コーチングの中では、上記で紹介した入学金や受講料、教材費の他に、コンサルタント費用がかかることももあります。
コンサルタント費用とは、一人ひとりの英語学習プランに応じて、勉強スケジュールを作成するにあたり必要な費用となります。
多くの場合、コンサルタント費用は受講費に含まれていますが、進捗確認や面談の回数を増やすなど、オプションを追加することで、別費用が請求される場合があります。
また一部のサービスでは、コンサルタント費用が別になっていることもあります。
英語コーチングの交通費
英語コーチングには「通学型」と「オンライン完結型」の2種類があります。
通学型の英語コーチングの場合は、通学が必要になるので交通費が発生します。そのほかにもサービス利用者同士の食事会や移動中・講義中のドリンク代など、決して多くはありませんが、コツコツと支出が増えていきます。
オンライン完結型の英語コーチングの場合、自宅にインターネット環境があれば支出はありません。パソコンが無い場合でも、スマホでオンライン面談を実施することもできます。
おすすめの英語コーチングは、以下のページもご参照ください。
通学型 vs オンライン型 業態別の英語コーチング料金
スクールでの対面方式を採用している「進学型英語コーチング」と、チャットアプリなどを利用する「オンライン型英語コーチング」の料金について比較していきます。
対面方式を採用している「通学型」英語コーチング
対面での面談やクラスの受講を推奨している「通学型」英語コーチングにも、いくつか種類があります。
マンツーマンレッスン×対面コンサル型の英語コーチング
「マンツーマンレッスン+対面コンサル型」だと、月々平均して15万〜20万円。この基本料金に加えて入会金や教材費、交通費が別途必要です。
レッスンは、英語コーチング本来のサービスではありませんが、バランスよく利用すれば英語力向上に大きく貢献するでしょう。またマンツーマンの場合、レベルに合わせた授業が提供可能なので、無駄がなく効率的に時間を使うことができます。
グループレッスン×対面コンサル型の英語コーチング
「グループレッスン+対面コンサル型」は、「マンツーマンレッスン+対面コンサル型」に比べて、費用を全体的に抑えることができます。
1ヶ月の受講料は8.5万円〜で、この基本料金に加えて入会金や教材費、交通費が別途必要です。
他の生徒と一緒にレッスンを受講することで、生徒同士の繋がりができ、英語学習のモチベーションに繋がります。しかし、一緒に受講する1番レベルの低い生徒に合わせてクラスは進行されることが多いので、レッスンの濃度は下がってしまいます。
グループレッスンを提供している英語コーチングは、母体が英会話のことが多く、英語コーチングに関するノウハウが蓄積されていない可能性があるので、きちんと調べることをおすすめします。
対面コンサル特化型の英語コーチング
英語コーチングの売りであるコーチングに特化した通学型のサービスです。1ヶ月の受講料は16万円〜が多く、この基本料金に加えて入会金や教材費、交通費が別途必要となります。とにかく結果を出すことにフォーカスしています。
初対面での面談が必要なければ、オンライン面談に切り替えることがもできます。
オンラインで完結する英語コーチング
英語コーチングは1週間に1度、コーチと面談するといったスタイルが定番でしたが、最近では交通費や施設費など不必要な費用を削減し、利用者の移動時間を抑えたオンライン完結型の英語コーチングも流行っています。
オンラインレッスン×コンサル型の英語コーチング
オンラインの面談に加え、オンラインのレッスンが受講できるスタイルです。オンライン上で完結できることにより、インターネットがある環境ならば場所を選ばずに利用することができます。つまり、地方や海外で生活している人もサービスの利用が可能です。
オンラインレッスンは対面レッスンに比べると音声や画像がクリアでないこともあり、授業に集中できない可能性もあります。しかし、それ以上にコストを抑えることができるので、コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
「オンラインレッスン×コンサル型」の英語コーチングの1ヶ月の受講料は11万円(税込)〜です。
オンラインのコンサル特化型の英語コーチング
オンラインのコンサル特化型の特徴は、英語レッスンの提供はなく、英語力の向上に徹底的にサポートをするスタイルです。
不要なサービスや施設が全て排除されているので比較的料金が安く、格安と呼ばれる英語コーチングは基本的にこのスタイルで営業しています。
サービスの打ち出し方がはっきりしているので、料金が格安でない場合は、コーチングカリキュラムのアレンジに期待できる可能性もあります。
また、必要に応じて社外サービス(オンライン英会話など)を案内している事もあります。
無駄があるから料金が高額になる
英語コーチングは授業の提供がないにも関わらず、英会話スクールに比べて料金が比較的高額。「なぜこんなに高いのだろう?」と疑問に思う人も少ないでしょう。
高額な費用の理由と、それでも選ばれている価値について説明をしていきます。
英語コーチングが高額な理由①:施設投資
通学型の英語コーチングの場合、お洒落なスクールやオフィスを設けています。また、多くのスクールやオフィスはアクセスしやすい都心や高級住宅地に位置しています。
オフィスの家賃だけではなく、内装や設備への投資もされているので、その分料金は高額になっていきます。
格安英語コーチングの場合、運営元が英会話教室であったり、個人経営の場合は自宅をスクールとしている場合があります。
英語コーチングが高額な理由②:英語力向上の保証
「短期間で英語力を向上させる」というコピーで売り出しているため、結果を出すために必要なコーチングメソッドの開発に投資をしている場合があります。
「成果保証型」の場合、設定した目標を達成できなかった時には、延長料金が無料などの保証をしているため、はじめから少し多めに課金されている場合があります。
格安英語コーチングの場合は、保証がなければコーチングメソッドの研究もされていないので、料金は必然と安くなります。
英語コーチングが高額な理由③:自社開発教材
自社開発教材を使用している場合、教材費も自社の売り上げになるので、不要な教材を購入させられたり、1冊あたりの単価が高額で、書店で購入できる市販教材よりも高くなることがあります。
市販教材を使用する場合、英語コーチングの運営会社は教材を売っても、売り上げにつながらないため、本当に良い教材を厳選してカリキュラムに組み込みます。
また、中古教材をネットで購入することも可能なので、コストを抑えることもできます。
英語コーチングが高額な理由④:良い人材の確保
英語コーチングというサービスはここ数年で一気に注目されるようになりました。英語講師と英語コーチでは求められる資質は違うので、人材教育をしていく必要があります。
これまで第二言語学習理論などの英語学習に関する研究をしてきた専門家は効果的な英語コーチングをすることができますが、ティーチングを主体とした英語のレッスンを提供してきた英語講師にとって未知の世界です。
つまり英語を教えることと、英語コーチングすることは、似ているようで全く違います。
人気の生徒が殺到している英語コーチングスクールは、料金が高額にも関わらず、人材不足で十分なトレーニングを積んできない、元英語講師がコーチが担当する可能性もあります。
格安の落とし穴!気をつけるべきポイント
「英語コーチングを受けたいけど、15万円は高い……」、そう考えて、格安英語コーチングの受講を検討する人は多いでしょう。しかし、本当に金額に見合ったサポートや結果を得られるのかは疑問です。
格安の英語コーチングの落とし穴に落ちないために、気をつけるポイントを見ていきましょう。
英語コーチングに特化したサービスなのか
「英語コーチングに申し込んだつもりが、英会話教室にオプションでコーチングがついてきただけだった……」、こういった声は多く上がっています。
英語コーチングと英会話スクールは別のサービスです。いくら英語を話せたり、文法などを教えられたとしても、第二言語学習理論をきちんと研究していない限りは、質の高いコーチングはできません。
また、自習学習に多くの時間を使うコーチングは、利用者の学習進捗確認など、日々多くの業務に追われることになります。
英語講師と英語コーチングの兼任はかなり厳しいと言えるでしょう。
また、英単語辞典をはじめ、英語・英会話教室を地域別で紹介しているサイトならエイゴマがおすすめです。ご参考にしてください。
格安な個人経営の英語コーチングサービスは危険
格安英語コーチングの中には個人経営の英語コーチングもあります。
個人経営の英語コーチングは、アットホームな雰囲気で学習ができるので、そのような環境で英語学習をしたい方にはオススメです。
しかし、相性が悪かった場合に、コーチの変更ができないほか、解約や返金などの手続きもコーチを通してやりとりをすることになります。
また、格安コーチングとして売り出しているのには、大手企業にサービスで勝てないという理由もあります。
個人経営の英語コーチングを利用する場合は、無料体験やカウンセリングなどを利用し、実際の受講者の声を調べてから申し込みをするようにしましょう。
安さに釣られて本来の目的を忘れないように
ここまで英語コーチングの各種費用に関する解説をしてきましたが、どのサービスを利用するかを決める時に最も大切なのは、「自分にあった英語コーチングを利用する」ということ。
格安英語コーチングが悪いわけでも、大手企業の安定したサービスが常に良いわけでもありません。自分の目的やレベルに合わせたベストな選択肢を選ぶことが大切です。
また、「格安vs大手」の二択だけでなく、どちらの良い部分もうまく取り入れている、「ミドルクラス」のサービスを選ぶのも、良い選択のひとつと言えるでしょう。
英語コーチング以外の格安英語サービス
英語コーチングと英会話などのサービスは違いますが、組み合わせることで効果的な英語学習を実現することができます。
ここでは相性の良い3つの格安英語サービスを紹介します。
格安英会話/ワンレッスン2,000円〜
近年、英会話にも受け放題の定額制や1レッスン〇〇円などの格安英会話が登場しました。
格安英会話の場合、講師はネイティブでも英語指導の未経験者、そしてグループレッスンになりますが、それでも日本国内でアウトプットの場をつくれるのは良いことです。
自習学習に行き詰まった時には、楽しく英会話をすることで、モチベーションアップにもつながりますし、英会話スクール主催のパーティーやBBQに参加すれば、生きた英語に触れることができます
格安オンライン英会話/ワンレッスン単価150円〜
単価1レッスン150円から受講できる最も格安な英語サービスです。
料金が安いだけでなく、インターネット環境とデバイスがあれば場所を選ばず受講できるので、忙しい中でもアウトプット環境を作りたい人には最適です。
ある程度英語の基礎が身について、語彙力も増えてきた状態だと、格安オンライン英会話はアウトプットの場に適しています。
しかし、格安オンライン英会話だけで英語が上達することはありません。
英会話だけだとインプットの量が足りないので、日々の英語学習で学んだ成果を実戦で試す機会と割り切る方がよ
いでしょう。
格安フィリピン留学/1ヶ月8万円〜
1日に10時間以上の学習時間の確保ができ、マンツーマンレッスンで格安で受けられることから人気のフィリピン留学。どちらかと言うと、学生や英語初心者向けのサービスと思われていますが、社会人やTOEIC900点保持者が集まる学校もあります。
英語だけに集中できる環境を作れるので、効率的な英語学習は可能になりますが、結果を出すには2〜3ヶ月が必要になるので、その間は仕事をすることができません。転職などのタイミングでまとまった時間が取れる場合には、フィリピン留学は良い選択肢になるでしょう。
また、英語コーチングで事前に正しい自習学習の習慣をつけてから渡航することで、その成果を何倍にも引き上げることは可能です。
格安とはコストに対して高いパフォーマンスが期待できるサービスのこと
多くの英語コーチングは月々15万円くらいの予算で利用することができます。また、格安の英語コーチングを利用すれば、月々5万円とコストを3分の1に抑えることもできます。
しかし、コーチングの質が大きく下がる場合や、必要なレッスンや教材などを他社サービスで追加しないといけない場合があり、結果的に支払う金額がわからないこともあります。
また、キャンセル料が安くても、入会金や教材費が高額である、カウンセリングの回数が少ない、キャンセルができないといった問題がある可能性もあります。
まずは自分にとって必要なものがなにかを棚卸しして、それらを実現できるサービスを利用するのが良いでしょう。
あくまでも目的は設定した期間内に必要なレベルまで英語を引き上げることです。
そのためには、大手企業だけでなく、ミドルクラスの英語コーチングや個人経営の英語コーチングにも体験入学や無料カウンセリングを受けてもいいかもしれません。
複数のサービスを比較してから、最終的にどのサービスを利用するかを決めることをおすすめします。