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テストスコアが下がりスマートフォンの結果画面を見て落ち込む英語学習者

英語のテストスコアが下がった原因は?プラトー期・伸び悩みを「3つの視点」で乗り越えよう


頑張って勉強したのに、テストのスコアが下がってしまった。毎日学習しているのに、どうして結果が出ないのだろう?

テスト結果を見て、このように落ち込んだ経験はありませんか?

学習の成果を数字で確認できるテストスコアは、英語力の変化を知るうえで大切な指標です。しかし、スコアが下がったからといって、あなたの英語力そのものが下がったとは限りません。学習を続けていると、成長が数字に表れにくくなる時期や、一時的に間違いが増える時期があります。また、テストによって測定している英語技能も異なります。

つまり、テストスコアは英語力を見るためのひとつの窓であって、英語力のすべてではないのです。今回は、テスト結果に落ち込んだときに知っておきたい、英語学習に関する3つの視点をご紹介します。


1.伸びていないのではなく、「力を蓄えている時期」かもしれない

成長が見えにくくなる「プラトー期」

「勉強時間を増やせば、英語力も同じペースで伸びていく」

私たちは、ついこのような右肩上がりの成長を想像してしまいます。しかし、実際の学習では、努力した分だけ毎回スコアが上がるとは限りません。順調に伸びていたと思ったら、突然スコアが変わらなくなったり、ときには前回より下がったりすることもあります。

このように、学習を続けているにもかかわらず、成長が止まったように感じられる時期を、プラトー期と呼びます。

技能習得に関する研究でも、上達は常に一定のペースで進むわけではなく、停滞や一時的な低下、その後の大きな伸びが見られることが指摘されています。

見えないところで、成長の準備が進んでいる

プラトー期は、学んだ知識を整理し、実際に使える形へと定着させていく期間とも考えられています。新しく覚えた単語や文法は、学習した瞬間から自由自在に使えるようになるわけではありません。知識として理解することと、必要な場面ですぐに思い出し、実際に使えることの間には、時間差があります。

これは、植物の成長に少し似ています。地上に見えている茎や葉がしばらく伸びていないと、「成長が止まったのではないか」と感じるかもしれません。しかし、目に見えない土のなかでは、次に大きく成長するために、根を広げている可能性があります。

英語学習も同じです。テストスコアが変わっていないときでも、頭のなかでは、これまでに学んだ知識同士が結びつき、必要なときに取り出せる状態へ近づいているかもしれません。

スコアに表れる前の変化を見つけよう

テストスコアが横ばいでも、次のような変化は起きていないでしょうか。

  • 単語を思い出すまでの時間が短くなった
  • 英文を以前より速く読めるようになった
  • 聞き取れる単語やフレーズが増えた
  • 英語を聞いたときに、文法や音の変化へ気づけるようになった
  • 会話のなかで、新しく覚えた表現を使おうとするようになった
  • 教材を終えるまでの負担が以前より小さくなった

こうした変化は、すぐにはテストスコアに反映されないかもしれません。しかし、どれも次の成長につながる大切な変化です。スコアが伸びない時期に、「自分には才能がない」「この勉強には意味がない」と決めつけて、学習をやめてしまうのは非常にもったいないことです。焦って学習方法をすべて変えるのではなく、まずはこれまでに学んだ内容を振り返り、小さな変化を記録してみましょう。

いまは成長が止まっているのではなく、次に伸びるための力を蓄えている時期なのかもしれません。


2.間違いが増えたのは、英語力が後退したからではない

言語学習の「U字型発達」とは?

英語学習では、一度正しく使えていた表現を、突然間違えるようになることがあります。

「前はできていたのに、どうして?」そう思うかもしれません。しかし、言語発達には、ある項目をいったん正しく使えるようになったあと、間違いが増え、さらに学習が進むと再び正しく使えるようになる、U字型発達と呼ばれるパターンが見られることがあります。

第二言語習得研究でも、学習者の発達が常に知識の足し算のように進むわけではなく、段階的な変化やU字型の発達、発達途中の揺れが起こりうることが扱われています。

新しいルールを使おうとするから、間違いが増える

U字型発達の代表的な例として、英語の過去形があります。英語を学び始めた子どもは、最初に聞いた表現をそのまま覚え、wentspoke といった不規則変化を正しく使うことがあります。その後、動詞に -ed をつければ過去形になるというルールを学ぶと、そのルールを広く当てはめ、goedspeaked のような間違いをすることがあります。さらに学習が進むと、規則動詞と不規則動詞を区別し、再び正しい形を使えるようになります。

このように、学んだルールを本来より広い範囲に当てはめることを、過剰一般化と呼びます。U字型発達は、言語学習の代表的な研究テーマのひとつです。

初級者より、中級者のほうが間違えることもある

初級者の頃は、知っている単語や文法が少ないため、使う表現も限られています。学習が進んで中級レベルになると、新しい文法や複雑な表現を使おうとします。その結果、以前より話せる内容は増えているのに、間違いの数も増えることがあります。これは、必ずしも勉強不足や学習の後退を意味するわけではありません。

知識が増え、新しいことに挑戦しているからこそ起こる間違いもあるのです。

たとえば、短く単純な英文だけを使えば、文法的な間違いは少なくできます。しかし、仮定法や関係詞、複雑な時制を使って詳しく説明しようとすれば、間違いが増える可能性があります。間違いの数だけを見ると、英語力が下がったように感じるかもしれません。一方で、「以前より難しいことを表現しようとしている」という視点から見ると、それは前進の証拠でもあります。

間違いが増えたときは、「何ができなくなったか」だけではなく、「何を新しく使おうとしているか」にも注目してみましょう。


3.そのテストは、「いま伸ばしている力」を測っていますか?

テスト結果を見るときに、もうひとつ忘れてはいけないことがあります。それは、テストによって測っている英語力が異なるということです。

CASECとVersantでは、測っているものが違う

英語テストは、種類によって測定する技能が異なります。たとえば、CASECというテストでは、主に以下の項目が測定されます。

  • 語彙の知識
  • 表現の知識と用法
  • リスニングでの大意把握
  • リスニングでの具体的な情報の聞き取り

通常のCASECには、受験者が自分の意見を話すスピーキング問題は含まれていません。そのため、スピーキングを重点的にトレーニングしている時期には、その成長が通常のCASECスコアへ直接表れにくい場合があります。

一方、Versant「English Speaking and Listening Test」は、名前のとおりスピーキングとリスニングを評価するテストです。流暢さ、発音、明瞭さ、聞いた英語に対して適切に反応する力などが評価されます。リーディングやライティングを含む4技能版は、別のテストとして用意されています。よってリーディング・ライティングを重点的に学習していても、スピーキングとリスニングが中心のテストでは、その成長を十分に確認できないことがあります。

テストスコアは、その条件下での「現在地」

テストは、決められた問題形式と受験環境のなかで発揮されたパフォーマンスを数値化するものです。そのため、テスト形式に慣れているか、静かな環境で受験できたか、音声が正しく録音されたかといった条件も無関係ではありません。Versantを提供しているPearson社も、Versantの受験前に問題形式へ慣れることを推奨しており、背景音や小さすぎる声などが録音や採点に影響する場合があると案内しています。

だからこそ、ひとつのスコアだけを見て、「英語力が下がった」「これまでの勉強は無駄だった」と結論づける必要はありません。

テスト結果は無視するものではなく、英語力の一側面を確認するための資料として使うものです。


英語力を「3つの物差し」で見てみよう

英語力の成長を確認するときは、テストスコアだけではなく、次の3つの視点を組み合わせてみましょう。

1.テストの変化

  • 総合スコア
  • 技能別スコア
  • 正答率
  • 前回から変化した項目

スコアが下がった場合も、総合点だけではなく、どの項目が上がり、どの項目が下がったのかを確認します。

2.トレーニング中の変化

  • 以前より速いWPMの音声でシャドーイングできるようになった
  • トレーニングを終えるまでの時間が短くなった
  • 発音や音の変化を意識できるようになった
  • フィードバックで同じ指摘を受ける回数が減った

毎日のトレーニングには、テストよりも早く表れる変化があります。

3.実生活でできるようになったこと

  • 英語の会議で聞き取れる内容が増えた
  • 相手の質問に以前より速く答えられた
  • 言いたいことを別の表現で言い換えられた
  • 英語のメールを読む負担が減った
  • 海外の人との会話を以前より長く続けられた

本来、英語学習の目的は、テストで高い点数を取ることだけではありません。仕事や旅行、日常生活など、自分が英語を使いたい場面で、以前よりできることを増やしていくことも重要な成果です。


スコアが下がった日に確認したい3つの質問

テスト結果に落ち込んだときは、すぐに「英語力が下がった」と判断する前に、次の3つを確認してみてください。

1.いまは、成長が数字に表れにくいプラトー期ではないか?

2.新しい知識を使おうとして、一時的に間違いが増えていないか?

3.今回のテストは、いま自分が伸ばしている技能を測っているか?

この3つを確認するだけでも、スコアの見え方は変わるはずです。


テスト結果は「判決」ではなく、学習を進めるためのデータ

テストスコアが下がれば、落ち込むのは自然なことです。しかし、その数字だけで、これまでの努力や英語力のすべてが否定されたわけではありません。

成長が止まって見えるプラトー期。

新しい知識を使おうとすることで間違いが増えるU字型発達。

そして、特定の技能や問題形式だけを測定するテストの性質。

こうした視点を知っていれば、スコアが下がったときにも、必要以上に自分を責めずに済みます。目に見える成長が止まっているように感じても、それまで地道に広げてきた根がなくなるわけではありません。U字の底にいるときも、前より多くの知識を使おうとしている可能性があります。大切なのは、ひとつの数字だけで学習を判断せず、さまざまな角度から自分の変化を見つけることです。

テストスコアは、あなたの英語力に下される判決ではありません。次の学習方法を考えるための、ひとつのデータです。

昨日より聞き取れた一言。前より速く言えた一文。以前なら避けていた表現に挑戦したこと。

その小さな「できた」を見つけながら、学習を続けていきましょう。

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