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英語でまず覚えることは何?単語・文法・言い回しの優先順位


英語をやり直そうと思い立って、単語帳と文法書を買ってみたものの、どちらをどこまで進めればよいのか決められず、そのまま手が止まってしまっている。そんな方も意外と多いのではないでしょうか。

覚え方の方法は、調べればたくさん見つかります。でも、その前に考えておきたいことがあります。それは、何を覚えるのかを決めることです。

この記事では、覚える内容を3つに分け、それぞれ「どこまで覚えるか」を整理します。そのうえで、目的に合わせて、どの内容から取り組むとよいかを紹介します。

英語でまず覚えるのは、単語・文法・言い回しの3つ

覚えるものは大きく3つに分かれます。単語、文法、そして場面をつなぐ言い回しです。ただし、3つのすべてを完璧に覚える必要はありません。

それぞれに、まず覚えておきたい範囲があります。そこを優先して身につけることで、少しずつ英語で伝えられるようになります。反対に、覚える範囲を決めないまま単語帳の最初から順番に進めてしまうと、覚えることが多すぎて途中で続かなくなってしまいます。

覚えるものまず覚える範囲後回しでよいもの
単語毎日のやり取りに繰り返し出てくる語専門用語、珍しい語
文法つまずきやすい3つ(疑問文・現在完了・関係代名詞)分詞、仮定法、文型の分類
言い回し頼む・聞き返す・言い直すといった働きを持つ言い方同じ働きの言い回しの言い換え

発音を入れていないのは、単語と言い回しを覚えるときに一緒に付身につけられるからです。実際に声に出しながら覚えることで、発音も自然に練習できます。

ここからは、3つの内容について、まず覚える範囲を決めていきます。そのうえで、どれから取り組むかを整理します。

単語はどこまで覚えるか

単語は、数を増やす前に覚える範囲を絞ります。

英語教育を行うイギリスの公的機関のBritish Councilは、単語の覚え方も学習者向けに公開しています。同機関の解説では、覚える語は少しにとどめて多くしすぎないこととされ、1日に新しく覚える単語は8単語くらいがよい数だと書かれています※1。

さらに、新しい単語を覚えるまでには10回くらい使う必要があるとも書かれています。どちらも目安として示されている数字です。

1日に新しく入れる単語は多くしすぎないほうがよく、しかも1単語を覚えるまでに何度も使う必要があります。だとすれば、力を入れるところは「増やす」より「何を入れるか」です。

まず入れるのは、毎日の生活で出てくる範囲です。時間、場所、数、移動、食事、頼みごと、返事。このあたりが入ります。専門的な単語や、珍しい単語は、ここには入れないでください。出てくる回数が少ない単語は、10回使うところまで行く前に忘れやすくなります。

なお、全部で何単語覚えればいいのかという総数が気になる方はTOEICに必要な英単語数の目安をご覧ください。

この記事では、覚える単語の総数をあえて設定していません。先に数字を決めてしまうと、その数を達成することが目的になり、本当に必要な単語を選ぶことが後回しになりやすいためです。

文法はどこまで覚えるか

文法も全部覚える必要はありません。つまずきやすい3つだけを先に固めます。

まず押さえておきたいのは、相手に何かを尋ねる形、過去の出来事と現在の状態を1つの文で表す形、2つの文を1つにつなげる形の3つです。それぞれ、疑問文の作り方、現在完了、関係代名詞にあたります。

この3つを先に確認するのは、理解があいまいなまま進めてしまいやすいポイントだからです。ここを十分に理解しないまま先へ進むと、その後の学習でも同じところで何度もつまずきやすくなります。

3つに共通しているのは、つまずきやすいポイントが似ていることです。どれも、「私は〜します」のような基本的な文を作れるようになったあとに、そこから少し形を変えて使う表現です。

疑問文では語の順番を変え、現在完了では過去から現在までの時間のつながりを1つの文で表します。関係代名詞では、2つの文を1つにつなげます。

つまり、どれも新しい単語をたくさん覚えるというより、すでに知っている単語や文の組み立て方を覚えるものです。

3つのうち、どれを先に固めるか

日常会話をしたいなら、疑問文の作り方と現在完了の2つが先です。相手に何かを尋ねる場面と、今どうなっているかを伝える場面は、日常会話で何度も出てきます。

関係代名詞は、この3つの中では最後に回してかまいません。2つの文を1つにつなげるものなので、短い文を2つ続けて言っても、それに近いことは伝えられます。長い文が必要になったときや、読解や資格に目的が移ったときに戻れば十分間に合います。

順番を選ぶ基準は、自分があいまいだと感じるかどうかです。疑問文と現在完了のどちらも問題なく作れているなら、3つ目へ進んでかまいません。逆に2つともあいまいなら、疑問文から始めてください。語の並び順を入れ替えることに慣れていないと、現在完了の形も安定しにくくなります。

覚えただけでは使えない

覚えたことと、使えることは別です。ここは分けて考えてください。

基本的な文法書を一通り終えたあとは、瞬間英作文や英語のハノンといった、短い文を次々に口に出すタイプの教材で練習を繰り返します。1文ずつ構造を確かめながら読み進める精読でも文法の理解は深まります。

具体的な練習方法については、この記事では扱いません。ここで押さえてほしいのは、覚える内容についてですが、それを決めただけではまだ十分ではありません。実際に身につけるには、声に出して練習したり、文の構造を確認しながら読んだりして、覚えたものを使う機会を作ることが大切です。

言い回しはどこまで覚えるか

3つ目は、場面をつなぐ言い回しです。頼む、聞き返す、言い直す、確かめる、少し時間をもらう、といった場面で使う言い方です。

数えるときは、言い回しの数ではなく、役割の数で考えます。1つの役割につき、1つの言い方を覚えておけば十分です。同じ役割で使える別の言い方をいくつも覚えるのは、まず基本を身につけてからで問題ありません。

役割は、次の5つから始めると足ります。

役割日本語で言いたいこと英語の例
聞き返すもう一度お願いしますCould you say that again?
言い直すつまり、こういうことですWhat I mean is …
確かめるこういう理解で合っていますかDo you mean …?
頼むこれをお願いできますかCould you …?
少し時間をもらう少し考えさせてくださいLet me think for a second.

英語の例は1つずつで十分です。同じ役割の言い方をいくつも覚えるより、1つを確実に口から出せるほうが先です。まず日本語でこの5つを言えるようにしておいて、それぞれに英語を1つだけ当てる形にしてください。5つ×1つなので、覚えるのは5つです。

こうした言い回しは、後回しにされがちです。内容そのものを伝える言葉ではないため、重要ではないと思われやすいからです。でも、会話を途切れさせずに続けられるのは、こうした言い方を持っているからです。

表に挙げた5つは、どれも内容そのものを伝えるものではありません。それでも、会話のやり取りを支えてくれる言い方です。こうした言い方を先に身につけておくと、知らない単語が出てきたときも、会話を止めずにやり取りを続けやすくなります。

やり取りが止まらなければ会話は続きます。続いた分だけ、実際に使う回数も増えやすくなります。10回くらい使って覚えるという目安に近づくうえでも、やり取りが止まらないことは効いてくるはずです。

なお、場面別のフレーズを一覧で覚える形はおすすめしません。30個覚えても、その場面が来なければ使う回数が増えないので、10回使って覚えるという目安に届かないまま忘れてしまいます。役割で使うほうが、どの場面でも使い回すことができます。

どれから始めるか

3つの範囲が決まったら、最後に順番を決めます。順番は目的によって変わります。

目的が決まっていないなら、文法から始めます。文法の形は目的で変わらないので、あとで目的が決まっても無駄にはなりません。

言いたいことは浮かぶのに、使いたい単語が出てこないなら、まずは単語からです。頭の中にある日本語を英語に置き換えるところで止まっているので、使える単語を少しずつ増やしていくのが近道です。

単語は出てくるのに会話が止まってしまうなら、次は言い回しです。言いたいことを表す言葉は出ていても、そこから会話を続けるための言い方が足りない状態です。

日常会話とビジネスのどちらを目的にするかによって、入れ替えるのは、その場面で使う単語や言い方、そして慣れておきたい話題の3つです。日常会話が目的なら、生活の中で出てくる単語や言い方を、ビジネスが目的なら、会議や交渉で使う単語や言い方、その場で扱う話題を中心に覚えます。3つに分けて考える基本の組み立ては、どちらの場合でも変わりません。

3つを同時に増やさない

覚える順番を選んだあとの進め方も、あらかじめ決めておきましょう。3つを同時に増やすのではなく、まずは1つに集中します。1つの内容を使えるようにするには、同じものを繰り返し使うことが必要です。

そのため、1つに絞って取り組んだほうが、実際に使える状態にしやすくなります。

選んだものは、次に選び直すまで変えないようにしましょう。何日間と期間を決めるよりも、次の2つのどちらかにあてはまるまで続ける方法がおすすめです。

1つは、選んだものを使うことに手応えを感じられるようになったときです。この場合は、次の内容へ進みます。もう1つは、続けているのに手応えがまったく変わらないときです。この場合は、選んだものが自分のつまずいている部分と合っていなかったと考え、別の内容に切り替えます。

まとめ:3つに分けて、範囲を決めてから始める

  • 覚えるものは単語・文法・言い回しの3つに分かれ、それぞれ「まず覚える範囲」だけ先に固めます
  • 文法は全部ではなく、疑問文の作り方・現在完了・関係代名詞の3つに絞ります
  • 3つを同時に増やさず、目的といまのつまづき方から1つ選んで始めます

まずは、自分がどれでつまづいているかを1つ選んでみてください。それが決まれば、単語帳と文法書のどちらを手に取るかも決まります。

どこで止まっているのか、範囲をどこまで絞るのかは、いまの状態によって変わります。

オンライン英語コーチングのイングリードでは、語彙・文法・発音・音の聞き取りのどこにつまづいているかを見てから、覚える順番を決めています。自分がどこから手を付けるべきか確かめたい方は、無料カウンセリングをご利用ください。

参考

※1 British Council「単語を覚えるコツに関する解説」(英語)(2026年9月確認)

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