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リスニングの復習方法|聞き取れない原因を診断して次の練習につなげる


リスニング問題や音声教材に取り組んでいても、答え合わせの後に何をすべきか分からず、同じ音源を聞き直すだけで終わっていませんか。

リスニングの復習は、初回の正誤や理解度を記録する、聞き取れなかった箇所を特定する、原因を診断する、原因に合う練習をして再度聞き直す、という4ステップで進めます。

この記事では、問題演習と自由に選んだ音源の違いも含め、専門知識がなくても実践できる順番でリスニングの復習方法を詳しく解説します。

リスニング復習の4ステップを先に確認しよう

最初に全体の流れを確認しておくと、答え合わせやスクリプトの確認そのものが目的になってしまうことを防げます。1つの短い音源または一連の問題演習について、次の順に進めてください。

  1. スクリプトを見ずに聞き、初回の正誤や理解度を記録する
  2. 聞き取れなかった短い箇所を特定する
  3. 語彙、音声知覚、意味理解のどれが聞き取れない原因かを診断する
  4. 原因に合う練習を行い、最後にスクリプトなしで聞き直す

復習のゴールは、音源を何回聞いたかではなく、聞けなかった理由を言葉にして次の練習を1つ決めることです。

正解した問題でも推測で選んだ箇所は復習対象に含めてください。

問題演習と自由音源で最初の記録を分ける

正解がある問題演習と、動画やポッドキャストなどの自由音源では、初回に残す情報が異なります。

どちらも、スクリプトや字幕を見る前に記録する点は共通です。

問題演習は正誤と判断の根拠を残す

問題演習では、誤答だけでなく、正解したものを「根拠を聞けた」「推測で選んだ」に分けます。

誤答には、音声を聞き取れなかったのか、設問や選択肢を読み違えたのかも記録してください。音を聞けていたのに選択肢を誤った場合は、発音練習ではなく問題の読み方を見直す必要があります。

たとえば、話者が予定変更の理由を述べた箇所を聞けずに誤答したなら、その再生箇所を記録します。理由は聞き取れたのに、似た選択肢で迷ったなら、音声知覚ではなく選択肢の意味の区別が課題です。

自由音源は要点と止まった時刻を残す

自由音源には正誤がないため、聞いた直後に内容を1文で要約し、分からなくなった再生時刻と聞こえた断片を記録します。スクリプトを確認した後、要約から抜けていた情報と聞こえなかった表現を比べましょう。

スクリプトや正確な字幕がない音源は、聞き取れない原因を特定する復習には向きません。音源は内容を楽しむために使い、診断と発話練習には答え合わせができる別の素材を選びましょう。

英国の国際文化交流機関であるBritish Councilが提供する英語学習サイト「LearnEnglish」のように、レベル別の音声、問題、スクリプトを備えた公式学習素材も選択肢のひとつになります(参考元1)。

聞き取れない原因を3つに診断する

リスニングのつまずきは、同じように聞こえても原因が同じとは限りません。

英語コーチングを提供するイングリードでは、実際のリスニング指導で見られるつまずきを「語彙やフレーズ」「英語の音の認識」「聞きながら行う意味理解」の3つに整理しています。1つの箇所に複数の原因が重なる場合もありますが、最初は最も大きい原因を1つ選ぶと、次の練習を決めやすくなります。

こうした切り分けが必要なのは、聞き取りに語彙や音、話題の知識など複数の要素が関係するためです。British Councilも、限られた語彙や話題の知識不足、個々の音を区別しにくいことなどを、聞き取りを難しくする要因として挙げています(参考元2)。

スクリプト確認後の状態主な原因次に行うこと
読んでも単語や表現の意味が分からない語彙・フレーズ意味とその場面での用例を確認する
読めば分かるが、音では単語を区切れない音声知覚短い箇所で音と文字を対応させて発話する
音は分かるが、通常速度では内容を追えない意味理解文の構造を確認し、意味のかたまりで聞く
音と内容は分かったが、問題を誤答した設問・選択肢の理解読み違えた表現と正解の根拠を比較する

音声知覚とは、流れてきた英語の音を単語やまとまりとして捉える力です。たとえば、スクリプトを読んで単語も文の意味も分かるのに、音声では単語の切れ目が取れなければ、語彙ではなく音声知覚を主な原因と判断します。スクリプトをゆっくり読んでも意味が分からない場合は、音をまねる前に語彙や文法を確認してください。

音声知覚の向上のためには基本的にシンクロリーディングもしくはシャドーイングを実施いたします。ディクテーションはトレーニングではなく、聞き取れていない箇所の発見に効果的です。

1つの箇所に原因が重なる場合は、スクリプトを読んだ時点で判定できるものから解消します。知らない表現があれば先に意味を確認し、その後も音だけで捉えられないときに音声知覚の練習へ進みましょう。

この順なら、語彙不足を発音練習だけで解決しようとする遠回りを避けられます。

原因別に次の練習を選ぶ

診断後は、1回の復習で最優先の原因を1つだけ選びます。語彙、音、意味をすべて同じ方法で反復すると、何が改善につながったのかが分からず、時間もかかりやすくなります。

イングリードでのリスニング指導では、音声を聞いて英文を書き取るディクテーションを、練習のゴールではなく聞き取れていない箇所を見つける工程として位置づけています。

見つかった原因に合う練習をその後に行うことで、書き取ることだけを目的にせず、次の聞き取りへつながる復習になります。

語彙が原因なら意味と用例を確認する

知らなかった表現は、日本語訳だけでなく前後の文とセットで確認します。話者が何を伝えようとしていたかを理解したうえで、もう一度音声を聞くと、音と意味が結び付きやすくなります。

確認後は、同じ音源を1回聞いて意味が取れるかを確かめましょう。聞き取れたかどうかを細かく判定するより、最初に迷った箇所の意味をその場で捉えられるかを見ることが大切です。

音声知覚が原因ならシンクロリーディングかシャドーイングを行う

音声知覚が原因なら、聞けなかった短い箇所の音の変化を確認し、シンクロリーディングまたはシャドーイングで音声に合わせて声を出します。シンクロリーディングはスクリプトを見ながら音声と同時に読み、シャドーイングは音声を少し遅れて追う練習です。

練習用の音源は、スクリプトを確認でき、必要に応じて短い区間へ戻れるものが使いやすいでしょう。

たとえば、スクリプト上では could have だと分かるのに could までしか聞こえなかった場合、前後を短く再生し、音のつながりを確認してから声に出します。音源が難しすぎる場合は、短い区間に区切ったり速度を落としたりして、音を捉えられる状態を作ってください。

意味理解が原因なら短いかたまりで理解を確認する

意味理解が原因なら、まずスクリプトと訳を使って、主語・動詞・修飾関係を確認します。分からないまま何度も聞くのではなく、どこまでを1つの意味のかたまりとして受け取るかを決めてから音源へ戻りましょう。

再生中は、日本語を完成させることよりも、話の要点やつながりを追うことを優先します。聞き終えた後に短く内容を説明できれば、語順のまま理解する練習が進んでいる目安になります。

最後の聞き直しで復習を終えるか判断する

原因別の練習後は、スクリプトを隠し、初回と同じ範囲を聞き直します。問題演習なら正解を覚えているかではなく、答えの根拠となる音を説明できるかを確認してください。自由音源なら、最初に抜けた要点を含めて内容を短く説明できるかを見ます。

最初に止まった箇所の音と要点を追えたら、その音源の復習はいったん終了です。追えない場合は反復回数だけを増やさず、診断表へ戻ります。読めば意味が分かるか、音だけで単語を区切れるか、聞きながら要点を保てるかの順に確かめると、別の原因を見つけやすくなります。

復習記録には、音源名、止まった時刻、原因、行った練習、最後の聞き直し結果を1行で残します。次回はその記録から始めると、同じ診断を繰り返さずに済みます。

リスニング復習でよくある質問

Q1: ディクテーションは毎回行うべきですか

毎回すべてを書き取る必要はありません。ディクテーションは、どこが聞けていないのかを発見するために使い、その後は語彙、音声知覚、意味理解のうち原因に合う練習へ進みましょう。

聞き取れない箇所が分からない音源や、推測で正解した問題では特に役立ちます。一方で原因がすでに明確なら、必要な部分だけを書き取って次の練習に時間を使う方がよいでしょう。

Q2: 同じ音源はいつまで復習しますか

終了の目安は、スクリプトを見ずに音源の要点と、最初に聞けなかった箇所を追える状態です。すべての音を完全に再現することを目標にすると、1つの音源に時間をかけすぎる場合があります。

聞き直しても同じ箇所で止まるときは、回数を増やす前に診断へ戻ってください。未知の語彙なのか、音の認識なのか、意味処理なのかを見直すことで、次の一手が変わります。

Q3: TOEICのリスニングにも使えますか

使えます。試験形式にかかわらず、設問の根拠を聞けなかった理由を診断する流れは共通です。TOEICでは、音源だけでなく設問や選択肢をどう読み違えたかも一緒に確認すると、誤答の理由をより具体的にできます。

TOEICのパート別攻略法では、設問形式ごとの解き方と復習のポイントを詳しく確認できます。

まとめ:原因診断から次の練習につなげよう

  • リスニングの復習は、正誤確認だけで終わらせず、聞き取れなかった箇所を残します。
  • 原因を語彙、音声知覚、意味理解に分けると、次に行う練習を選びやすくなります。
  • ディクテーションで弱点を見つけ、原因に合う練習をした後にスクリプトなしで確かめます。

まずは1つの短い音源を使い、聞き取れなかった箇所と原因を記録してみましょう。原因が分かれば、同じ音源をただ繰り返すのではなく、次に必要な練習を選べるようになります。

参考元

  1. British Council LearnEnglish「Listening」
  2. British Council「Five essential listening skills for English learners」

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