【英語教育】日本の英語教育の現状と課題、そして家庭でできる対策とは | イングリード
法人のお客様はこちらchevron_right
  英語 教育

【英語教育】日本の英語教育の現状と課題、そして家庭でできる対策とは


2020年は小学校で新しい学習指導要領が適用される年です。中学校では2021年、高等学校では2022年に、それぞれ新たな学習指導要領が適用されます。

新しい指導要領の適用により、さまざまな変革がもたらされようとしていますが、今回の大きな注目のひとつは「英語教育改革」です。

日本の英語教育は、「読み」、「書き」、文法的な正しさへの追求に偏重し、本来の「コミュニケーション手段」としての英語力の習得には重きが置かれず、結果的に学校での英語教育が日本人の英語力の低さの原因になっていると批判されてきました。

社会ではグローバル化が急速に進む中で、英語の必要性は年々高まり、成人の英語学習はもちろんのこと、子女への早期英語教育、早期留学を目指す人々も増加しています。

2020年から始まる英語教育改革はどのように日本の英語力向上に貢献するでしょうか。

英語の必要性が日に日に高まる中、早期英語教育、家庭での教育はどのようにしていけば良いのか、試行錯誤する人も多いでしょう。

今回は、日本の英語教育の現状と課題、早期英語教育について、そして家庭での英語教育への対応について解説します。

Contents

早期英語教育が子供に与えるインパクトとは?

英語 教育 いま

今やグローバル化の流れは、日本のどこにいても感じられる急速な社会変化として、多くの人が実感していることでしょう。

そしてインターネットなどのテクノロジーの発達により、どこでも世界に繋がり、情報が得られる高度な情報化社会になりつつある現代。

まさにこのグローバル化と情報化社会を生き抜く必須スキルが英語であると言えます。

このような流れの中で、子供に早期から英語学習を始めさせ、日本語の英語のバイリンガルに育てたい、できるなら英語ネイティブのような英語を話せるバイリンガルに育てたいと願う親は急増しています。

特に今の親世代は、大人になってからグローバル化の波が押し寄せ、就職に、昇進に、日本社会全体で英語力の向上の必要性の議論が加熱する中で、自身も英語で苦労したり、英語に苦手意識を持つ人も多い世代とも言えます。

「子供には英語で苦労させたくない」と、早期の英語教育を行う家庭が急増しているのです。

しかし一方では、早期の英語教育が子供の発達には悪影響を及ぼすとの意見も多々あり、実際に何が正しいのか、専門家でも意見が分かれるところです。

ここでは英語早期教育の子供に将来与えるインパクトについて解説します。

早期英語教育で人生の選択肢が大幅に増える

賛否両論はあれ、早期英語教育で英語に触れ、高い英語力を習得できれば、人生の選択肢は大幅に広がります。

今や学業、仕事、趣味、ありとあらゆることでグローバル化、情報化が起きている時代です。

そのような時代に英語力がある事は、その選択肢を大幅に増やすものです。

例えば情報を収集する際にはインターネットで情報収集をするのが今や常識となっていますが、そのインターネット上で使われている言語は圧倒的に英語の割合が高いのです。

W3Techsによる2020年11月30日の調査では、世界のウェブサイトで使われている言語の実に60%以上が英語であるという調査もあります。

英語 教育 ウェブ
参照:W3Techsの調査結果から独自作成

英語ができるようになることで、世界中のあらゆる情報にアクセスすることができ、世界中の人とつながることができるのです。

圧倒的な情報量を得ることができること、人的交流が広がること、そしてそのような人材を求めている企業での就職や昇進等、英語ができることで人生の選択肢が大幅に広がることは、言うまでもないことかもしれません。

また、言語の発音は、遅くとも12−13歳までに習得しないと、それ以降はネイティブのような発音を身につけることが難しいという臨界期仮説もあり、議論はあるものの、特に中高生で英語を始める多くの外国語学習者が、年齢が上がるほどにネイティブに近い発音をすることが難しい事を実感しているところです。

もちろん発音よりも、話す中身であることは間違いありませんが、的確に伝わる英語の発音は大変重要です。

臨界期が過ぎる前にネイティブとも遜色のない発音を身につけることは、後の人生に何にも代えられない大きな宝となるでしょう。

グローバル人材になれば、生涯年収は1億円も変わる?

英語力が人生に大きな影響を与えるかという点で、実際に収入がどこだけの差が出るのかも気になるところです。

英語力の高低がどれほど年収に影響があるのか、また生涯賃金がどれほど変わるのかを、いくつかの統計を元に分析してみましょう。

情報サイト開発・運営を行う株式会社キャリアインデックスの調査では、年収700万円以上の約半数(48.7%)が英語での日常会話と読み書きができると回答しています。(全国の就業中の1,000人を対象に調査を実施)

年収500万円〜700万円未満では34%、500万円未満では22.4%となっており、年収が高いほど英語力が上がるという調査結果が出ています。

英語 教育 キャリア
参照:株式会社キャリアインデックスの調査結果
をもとに独自に作成

また、人材紹介・人材派遣会社のエンワールド・ジャパン株式会社の「英語レベルと年収」についての調査では、英語レベル「上級」(流暢)では、年収1,000万以上が約60%、「初級」(挨拶レベル)では約13%と回答しています。

この調査でも英語レベルが上がるほど、年収が高くなる割合が大きくなると言う相関関係がみられることが分かります。

国税庁の調査では日本人全体で1,000万以上の年収を得ている人が全体の5%である中、この調査で英語レベル「上級」のグローバル人材になると、その12倍の60%が1,000万以上の年収を得ているという結果となっているのです。

英語 教育 納税

英語が話せることは将来にも大きなプラスになることが分かります。

更に、バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社が2020年11月20日に発表した「アフターコロナ時代、英語力が年収に与える影響」について調査を行いました。

調査結果では、2019年調査の国税庁調査の日本の平均年収と比較して、ビジネスレベル以上の英語力を持つ人材の年収に大きな差があることが分かります。

英語 教育 年収
参照:ヒューマングローバルタレント株式会社のプレスリリースを元に独自作成

平均年収と英語人材の年収を比較すると、20代と30代でそれぞれ113万円の年収差、40代で209万円、50代では337万円の差があると出ています。

60歳まで働くとすると、ざっと1億円ほどの生涯賃金に差が出てくることが分かります。

生涯賃金のこの差を考えると、子供の早期教育にお金をかけるのは、決して掛け捨てではなく、回収可能な投資だとも言えるでしょう。

英語が話せることで人生は豊かになる?

前述したように、英語ができることは、人生の選択肢を大幅に増やすものです。

就学、就職、仕事の選択肢の多様化、そして興味、関心分野、趣味の世界でも、英語力があることで多様な情報を収集でき、幅広い世界に触れることができるようになります。

前出のW3Teachsの調査にあるように、今やインターネット上にあるウェブサイトの実に60%以上が英語です。

また、インターネット利用者の言語を調べたInternet World Statsの調査では、全インターネットユーザーの約25.9%が英語話者で一番使われている言語が英語であるという調査結果もあります。

インターネットの世界のみならず、世界の共通語である英語を話せる事は、全世界の人々と交流が可能になるという事です。

このように、英語ができることで、多くの情報に触れ、人的交流ができるようになります。それにより自身の視野や人脈を世界に広げることができるようなることは、人生を豊かにすることに直結すると言っても過言ではないでしょう。

2020年の英語教育改革とは?

英語 教育 改革

2020年は10年に一度ある学習指導要領が適用される年として、教育改革の年とも言われています。

そして、今回の教育改革の目玉のひとつが英語教育の改革です。

ここでは2020年の英語教育改革について解説します。

2020年の英語教育改革の目的

グローバル化が急速に進む中、日本人の英語力の向上は常に大きな課題となってきました。

英語評価の世界ランキングでは、日本が低い位置にランキングしていることに疑問を持つ人はほとんどいないと言っても良いくらい、日本人自身も英語力の低さは自覚しています。

しかし、加速度的にグローバル化が進む中、国際共通語である英語力の向上は、日本の将来にとっても大変重要な課題です。

このような課題を解決するために、2020年の教育改革では英語教育に力を入れ、大きくメスを入れることになったのです。

その改革に至った背景にについて、平成26年に行われた英語教育のあり方に関する有識者会議での提言には以下のように記しています。

“我が国の英語教育では、現行の学習指導要領を受けた進展も見られるが、特にコミュニケーション能力の育成について改善を加速化すべき課題も多い。”

“社会の急速なグローバル化の進展の中で、英語力の一層の充実は我が国にとって極めて重要な問題。これからは、国民一人一人にとって、異文化理解や異文化コミュニケーションはますます重要になる。その際に、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって不可欠であり、アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべきである。”

“我が国では、人々が英語をはじめとする外国語を日常的に使用する機会は限られている。しかしながら、東京オリンピック・パラリンピックを迎える2020(平成32)年はもとより、現在、学校で学ぶ児童生徒が卒業後に社会で活躍するであろう2050(平成62)年頃には、我が国は、多文化・多言語・多民族の人たちが、協調と競争する国際的な環境の中にあることが予想され、そうした中で、国民一人一人が、様々な社会的・職業的な場面において、外国語を用いたコミュニケーションを行う機会が格段に増えることが想定される。”

参照:文部科学省 今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~

グローバル化が急速に進む中で、現在はもちろん、今小学生である児童たちが社会で活躍する2050年には、よりグローバル化の進んだ世界になることを予想し、国際共通語である英語でのコミュニケーション能力がより一層求められること。

そして、今後より一層多文化、多言語、多民族の人たちとの協調と競争が激化する社会になることが予想される中で、異文化理解とコミュニケーションが必須スキルになることが想定されること。

そのように変化する社会の中で、日本人の英語でのコミュニケーションの低さの解消は、至急の課題であること。

これらが小学校からの英語教育実施の目的なのです。

小学校から英語教育を実施するメリット

小学校から英語教育が実施されることは、日本人の英語力の向上に様々なメリットがあります。

英語に触れる時間が増えることで英語インプットの時間が増える

一般的に日本人が英語をある程度習得するためには、2,200〜3,000時間ほどの学習時間が必要というのが定説です。

新しい学習指導要領が適用されると、年間70コマ時間分×2年分=140コマ時間(105時間)英語学習の時間が増えます。

このように英語に触れる時間が増えインプットが増えることは、英語習得に大きなメリットと言えます。

「英語脳」「英語耳」が身につきやすい

英語には日本語にはない音や、リズム感があります。

小学校で低年齢時に英語に触れることにより、英語を英語で理解する「英語脳」、聞き取りが難しい英語の音を聴き分ける「英語耳」の習得を期待できるというメリットがあります。

異文化、外国語への心理的抵抗をなくすことができる

低年齢時から外国語、異文化に触れることで、これらへの抵抗感を減らすことができるのは、大きなメリットです。

個々の価値観や得意不得意が確定しやすい年齢になる前に英語に触れることで、異文化や外国語への抵抗感を感じずに取り組むことができるようになるのは、今後の学習においても大きなメリットとなります。

英語必修化がもたらしたカリキュラムの変化

今回の英語教育改革では、英語授業開始の低年齢化と、英語を英語で教えるという教授法の変化が大きな変化です。

具体的に見てみましょう。

小学3〜4年生への英語教育

小学3・4年生から「外国語活動」として、英語学習が始まります。これは以前より小学5・6年生で「外国語活動」として行ってきた英語学習が、2年前倒しになった形です。

授業時間は、週1コマで、年間35コマとなります。

授業は原則的に学級担任が教えます。

新学習指導要領には、小学3〜4年生の外国語活動の目標を以下のように設定しています。

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を 通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

参照:文部科学省

小学3〜4年生の外国語活動では、「聞くこと」「話すこと(やり取り・発表)」を中心に、音声やリズムなどの英語に慣れ親しみ、外国語や異文化への関心を高め、言語を用いて主体的にコミュニケーションを図る事の楽しさを知る事を重視しています。

授業では、挨拶や自己紹介などの紹介から、相槌の打ち方、時刻や曜日、場所、家庭や遊びなど身近な内容を用いて、実際のコミュニケーションに活用されるように促します。

この外国語活動は、成績評価はされません。

小学5〜6年生への英語教育

小学5〜6年生は、今までは「外国語活動」として英語の授業が取られていましたが、2020年からは、「教科」として英語の授業が行われます。

教科となるため、成績評価がつけられます。授業時間は、週2コマ、年間70コマとなります。学級担任に加え、専任教員で授業が行われます。

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書 くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

引用元:文部科学省

小学5〜6年時には、小学3−4年生の「聞くこと」「話すこと」に加え、「読むこと」「書くこと」の技能も加わり、英語の4技能を学んでいきます。

具体的には、文字の大文字と小文字、基本的な符合、単文や肯定文、否定文などの基本的な文構造、基本的な発音に加え連結(リンキング)、文における基本的な強勢、イントネーションなどの発音についても扱っていきます。

身近な内容を用いての「話す」「聞く」活動に加え、基礎的な文法事項も扱いますが、「文法」として学習させるよりも、日本語と英語の語順の違いを気付かせ、その規則性を身に付かせていく事を目標としています。

単語は600~700語程度の語彙を学習していきます。

中学生への英語教育

中学校の学習指導要領は2021年に適用となります。

目標は以下のように設定されています。

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書く ことの言語活動を通して,簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る 資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

引用元:文部科学省

中学校の英語教育で大きく変わる点は、授業は基本的に「全て英語で行われる」ことです。

対話的なコミュニケーションがより重視されながら、「読むこと」「話すこと」「書くこと」「聞くこと」の4技能を総合的に学びます。

身につける単語数も従来の1,200語から、1,600〜1,800語の習得を目指していきます。

文法も原形不定詞や仮定法、現在完了進行形など、従来は高校の学習範囲であった事項も学習事項に入ってくるなど、内容も高度になってくると言えます。

とは言え、実際の教育現場はどうなっているのか?

移行期間があったとは言え、全国的に2020年改訂の学習指導要領が適用された年ですが、新型コロナウイルス流行で登校ができない日が続いたり、オンライン授業の実施など、新学習指導要領の適用スタートはスムーズであったとは言えないかもしれません。

実際に適用が始まっている英語教育の実際の教育現場はどうなっているのでしょうか。

色々な課題が取り上げられていますが、教育現場は現段階では適応段階と言わざるをえません。

何よりも授業を担当する教員の英語力不足、教員の自信のなさは現状では解消されていません。

2019年の文部科学省の調査によると、小学校教員のうち、英語の免許状を持っている教員は全体の6.3%でした。

英語 教育
参照:
文部科学省

また、令和元年の調査発表で、英検準1級相当以上の英語力を持つ教員の数は、小学校が圧倒的に少なくなっています。

英語 教育 文科省
参照:文部科学省調査結果より独自作成
https://www.mext.go.jp/content/20200715-mxt_kyoiku01-000008761_2.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20200715-mxt_kyoiku01-000008761_4.pdf

英語教科の免許状を持つ中高の教員と、小学校の教員という立場の違いはありますが、英語を教えるという教員の英語力が総じて高くないことは、教えられる方もそうですが、教える教員自身も不安を持つ点に繋がっています。

さらには、小学3−4年生は目標として、外国語の音声に慣れ親しむことを目標に掲げていますが、英語力に不安を抱える日本人の学級担任だけが授業を担当するというのは、矛盾を感じる部分です。

授業では大部分がICT機器を使用しており、それを通してネイティブ英語に触れられないわけではないですが、それでも早期に英語ネイティブの英語や外国語の音に触れられる期間に、英語の免許状を持たない日本人の教員に教えてもらうのは、時間が大変もったいないとも言える状況です。

日本の英語教育の現状と課題について

英語 教育 課題

グローバル化が進む中で、国内の企業でも英語が社内公用語になったり、TOEIC高得点が昇進の条件になるなど、国内でも英語力の向上は多くの人の関心事となってきました。

ここ数年来、官民上げて英語力の向上に力を注いではいますが、それでもなかなか上がらない英語力の各種世界ランキングの結果に失望を感じざるを得ません。

現状の日本の英語教育の現状とその課題はどんなものがあるのでしょうか。

日本の英語レベルは先進国最下位レベル?

毎年、さまざまな英語教育機関から、英語力の世界ランキングが発表されますが、そのようなランキングが発表されるたびに日本のランキングがなかなか上がらないことにフラストレーションを感じる人は多いのではないでしょうか。

実際、日本の英語レベルはどのようなレベルなのでしょうか?

残念ながら、日本の英語レベルは先進国最下位レベルであると言わざるを得ません。

主要先進7カ国(G7)と呼ばれるのは、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、日本です。

またそれに加えて、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、韓国、台湾、シンガポールなども先進国として分類されます。

以下にいくつか代表的な英語能力試験の結果を基に作成されたランキングを紹介します。

TOEIC L&R国別平均スコアランキング

2019年度のTOEICのL&Rの国別平均スコアは以下のようなものになります。
※年間総受験者数が500名以上の国のみ抜粋

順位 国名 TOEIC L&R
平均スコア
順位 国名 TOEIC L&R
平均スコア
1 カナダ 877 26 レユニオン 620
2 ドイツ 812 27 エクアドル 620
3 レバノン 782 28 カメルーン 616
4 ベルギー 772 29 コートジボワール 614
5 イタリア 763 30 マレーシア 611
6 ポルトガル 736 31 ガボン 602
7 フランス 733 32 グアドループ 601
8 チュニジア 733 33 セネガル 588
9 アルゼンチン 727 34 コンゴ共和国 581
10 ロシア 726 35 ミャンマー 580
11 モロッコ 725 36 エルサルバドル 577
12 スペイン 722 37 メキシコ 572
13 フィリピン 713 38 中華人民共和国 571
14 コスタリカ 713 39 ポーランド 568
15 マダガスカル 691 40 台湾 562
16 チリ 679 41 マルティニーク 554
17 韓国 678 42 香港 541
18 アルジェリア 673 43 日本 523
19 ペルー 667 44 マカオ 516
20 ヨルダン 666 45 アルバニア 496
21 インド 662 46 ベトナム 490
22 コロンビア 646 47 タイ 485
23 ブラジル 637 48 インドネシア 471
24 トルコ 623 49 モンゴル 468
25 ギリシャ 623

参照:IiBC一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会のデータを元に独自作成

TOEICでは、先進国の中で最低位の平均点523点となっています。

TOEFLの国別平均スコアランキング

2019年のTOEFLの国別平均スコアランキングにおいて、先進国を抜粋した表は以下のようになります。

順位 国名 TOEFL
平均スコア
順位 国名 TOEFL
平均スコア
1 オーストリア 100 15 スイス 93
2 オランダ 99 16 スウェーデン 93
3 ドイツ 98 17 アイルランド 93
4 ベルギー 98 18 ノルウェー 92
5 シンガポール 98 19 アメリカ 91
6 ルクセンブルク 97 20 ポルトガル 91
7 デンマーク 97 21 イタリア 90
8 アイスランド 95 22 スペイン 90
9 オーストラリア 95 23 イスラエル 90
10 イギリス 94 24 フランス 88
11 カナダ 94 25 韓国 83
12 フィンランド 94 26 台湾 83
13 ギリシャ 94 27 中国 81
14 ニュージーランド 94 28 日本 72

参照:TOEFL iBT Test and Score data Summary 2019のデータから独自作成

先進国とされている国々を抜粋してランキング表を作成していますが、やはり日本が最低ランクに位置しています。

最新のEFのランキング

2020年に発表された世界最大級の語学学校EFが発表した最新のランキングでは以下のようになります。

英語 教育 EF
参照:EF English Proficiency Index 2020

日本は世界100カ国中55位にランキング(487点/700点中)で、先進国では一番下で、英語力のカテゴリーは「低い:Low Proficiency」に分類されています。

現状日本の英語レベルは先進国の中でのみならず、世界的にも大変低い位置にいるということをまざまざと見せつけられる結果と言えるでしょう。

英語集中化によって広がっていく学力格差

このような状況を受けて、日本人の英語力向上のための改革が2020年の英語教育改革と言えます。

現在、日本も国をあげて、日本人の英語力の向上のために大きく舵を切っているわけですが、このような英語集中化は、学力格差が広がる要因にもなります。

2020年の英語教育改革では、従来小学校5〜6年生から始まっていた「外国語活動」が、小学校3−4年生へと前倒しになり、小学校5〜6年生では「外国語教科」として、正式に教科として教えられます。

また中学、高校では英語の授業は英語で行われ、習得を目指す単語数も増えていきます。

どの教科にも言えることかもしれませんが、それぞれ個人により得意不得意がある中で、英語に集中し過ぎる場合、英語や外国語の習得に適性を持たない児童、生徒たちは、取り残される可能性が高くなります。

また、学校教育だけでは英語力の習得が難しいと考える保護者も多いため、自然と学習塾やオンライン英会話などの外部サービスが利用されるようになりますが、費用のかかるこのようなサービスが利用されることで、児童間でも家庭の経済力の違いにおいても格差が広がっていきます。

その他、文部科学省の2019年の「英語教育実施状況調査」によると、中学生・高校生の英語力について、改善は見られるものの、CEFR A2レベル(英検準2級相当)を50%が習得するという目標には達しておらず、都道府県、指定都市により差があると指摘しており、各都道府県の英語授業の取り組み方でも、格差が生まれている事を示唆しています。

英語 教育 状況
参照:文部科学省「英語教育実施状況調査」

英語教育改革への過剰期待と専門家の不在

日本の英語教育の現状をみると、英語をより早期に取り組む事への期待感は、保護者と、実際に授業を受け持つ教員との間に乖離があると言わざるを得ない状況です。

保護者の英語教育改革への期待、政府の期待とは裏腹に、前述したように、実際の教育現場では、小学校教員の英語力不足の改善はいまだ道半ばで、英語の免許状取得者は全体の6.3%に過ぎません。

また、ALTや外部の英語人材の活用には地域差があるなど、専門家の不足はいまだ解消するべき課題として残っているのが現状なのです。

義務教育に頼らない! 各家庭での対策とは?

英語 教育 家庭

いろいろな課題は内包しながらも、2020年に走り出している英語教育改革です。

政府の思惑通りには行っていない部分はありながらも、改革は進んでいくわけで、それに沿って、中学、高校、大学の入学試験の英語試験は作られていくでしょう。

また今後一層グローバル化が進む中で、英語ができることが当たり前になっていくでしょう。

そんな時代に取り残されないためにも、子供の英語教育は、学校教育だけに頼るのではなく、それぞれの家庭で対策をしていくべきです。

ここでは家庭での英語教育への対策を紹介します。

英語塾やオンライン英会話の導入

現在英語塾や英会話教室、オンライン英会話など、英語を学習するツールは数多く存在します。

児童や中高生に特化した塾や教室、オンライン英会話もあり、多様な特色を持ってそれぞれ運営しています。

週のスケジュールに組み込んだり、日常の隙間時間を使って、英語に触れる時間を増やし、英語が日常の一部になるようにしていきましょう。

ホリデー期間を利用した親子留学

まとまった期間に親子留学をするのもおすすめです。

留学のメリットは、完全に英語漬けの環境になれること、そして外国文化にどっぷりと漬かることで、異文化理解をより促進させることができることです。

日本での外国人教員、講師との英語学習でも異文化理解の機会は設けられますが、自国を離れ、全く違う文化、空気感に触れる中での異文化理解の機会は、その質と量で、日本国内でのそのような体験とは比べ物にならないほどの体験となります。

夏休み、年末年始、春休みなどのまとまった期間を利用して、留学を検討してみるのも良いでしょう。

インターナショナルスクールへの転学

より集中して英語を習得させ、英語脳、英語耳、そして英語ネイティブのような発音を習得させたいという場合は、インターナショナルスクールへの転学も良いでしょう。

費用が公立の学校より格段に高いのですが、経済力の追いつく家庭であれば、インターナショナルスクールは英語習得、異文化理解という点では、日本の一般的な小中学校より圧倒的に有利です。

日本にいながら、学内は外国という環境で、多くの時間を英語漬けの中で過ごし、英語のみならず他教科も英語で学ぶことで、英語ネイティブに近い英語力を身につけることができます。

特に発音は、12−13歳がネイティブのような発音を身につけられる臨界期であるという考える専門家も多くいるので、小学校からインターナショナルスクールで、ネイティブ英語に囲まれて学校生活を送ることは、英語ネイティブのような発音の習得に大きく寄与することでしょう。

親が英語教育を取り入れる際に気をつけるべきポイント

英語 企業研修 フロー

英語熱が高まる中で、子供への英語教育に力を入れる家庭が増えています。

実際に、英会話は、子供たちの習い事の人気の習い事で、幼少期から英会話教室に通い始める子供たちも多くいます。

早めに英語に触れさせたい、英語耳、英語脳を習得させたいと、0歳から英会話を始めるというケースも珍しくありません。

玩具で有名な株式会社バンダイが2019年に3歳〜6歳の子供を持つ親700名を対象に実施した「習い事に関する意識調査」では、子供が習っている習い事の4位に英会話が入っており、英会話は習い事をしている子供のうち約五人に1人が習っているという結果になっています。

順位 習い事 割合
1 水泳 41.0%
2 学習塾 27.0%
3 ピアノ 24.9%
4 英会話 22.0%
5 習字 13.9%
6 体操・新体操 10.3%
7 サッカー 9.6%
8 そろばん 7.4%
9 ダンス 5.4%
10 テニス 2.6%

参照:株式会社バンダイ「習い事に関する意識調査」

学習系では、学習塾に通う子供の方が英会話よりも多いのですが、注目は、英会話は始める年齢が学習塾やそろばんに比べてより低年齢であることです。

学習塾は、小学校1年〜6年の間に始める子供が65.7%である一方、英会話は未就学の0歳〜6歳までの間に始める子供が64.9%と、圧倒的に幼児期から始める子供が多いのです。

英語 教育 習い事
参照:株式会社バンダイ「習い事に関する意識調査」

このように英語教育は幼少期から取り組みを始める家庭が多いのです。

ここでは親が英語教育を取り入れる際に、注意するポイントを紹介します。

大人と子供は脳のメカニズムが違う

家庭で英語教育をする際に気をつけるべきことは、前提として大人と子供の脳のメカニズムが違うという点を考慮して臨むべきだと言うことです。

詳しくは下記の記事内で解説しています。

日本人の課題は4技能のバランスの悪さ! 第二言語学習理論に基づいた効率的でバランスの良い4技能学習とは?

「英語は楽しい!」という環境が命

幼少期から英語に触れて、英語ができるようになって欲しい、と多くの家庭で英語の早期教育が取り入れられていますが、逆に英語嫌いになってしまう子供も少なくありません。

または、興味が持てずに、ただ英会話教室で時間を過ごすだけになっている子供もいます。

子供の英語教育で最も重要なのは、「英語は楽しい!」と思わせる環境作りです。

期待するあまりに、難しいものを強要したり、長時間勉強させたりすることは、子供には逆効果です。

特に子供が英語に興味を持ち、ゆくゆくは自発的に英語に触れようとしていけるような環境作りが、親ができる一番の貢献です。

その上で、英語の絵本のオーディオを一緒に聴く、英語の音楽を聴く、英語のアニメーションを観るなどで、英語が日常にある環境を作ってあげられると良いでしょう。

特に現在はYouTubeなどに欧米圏の子供たちも多く視聴する英語の童謡動画がたくさん上がっています。それらは下に歌詞も表示されますので、親も一緒に歌いながら、英語に触れられます。

以下にいくつか楽しく英語に触れられるYouTubeの英語の子供向けサイトを紹介します。

Cocomelon-Nursery Rhymes

約1億人が登録している子供向けの童謡チャンネルです。
定番の歌と可愛らしい登場キャラクターが大人気です。

Little Baby Bum-Nursery Rhymes & Kids Songs

3,400万人が登録する子供向けの童謡チャンネルです。

Sesame Street

https://www.youtube.com/watch?v=3RS0wf0ET9M

日本でもお馴染みのセサミストリートです。

TED-Ed

TEDの教育チャンネルで、自然から医療や歴史、科学など幅広い内容について、分かりやすい音声とアニメーションで紹介するチャンネルです。

Netflixなどでもアニメーションが数多くあり、英語字幕で観ることができます。
子供の身近な内容から、興味の持てる内容の動画や音声を使って、親御さんも一緒に楽しみながら英語に触れるツールがたくさんありますので、是非積極活用しましょう。

親も子供と同じように英語に取り組む

英語の早期教育では、これが一番大切な点かもしれません。

親も子供と一緒に英語に取り組む姿を見せること。

そして親が英語習得に真剣になれば、自ずと家庭の中で英語の音声が流れていたり、英語を発することができる環境ができてくるでしょう。

このように「自然に英語に触れる環境」が子供にとっては重要なのです。

親自身が英語習得に真剣に取り組むことで、子供も自然と英語を習得できる環境が整います。

親自身が英語を楽しんでいる姿が、子供の英語学習に大きな影響を与えるのは言うまでもありません。

前述した通り、「英語は楽しい!」という環境が家庭内にあることは、子供の英語教育では生命線と言っても過言ではありません。

バイリンガル教育にはリスクがあることも

英語 教育 リスク

英語力のあるなしが今後の人生を大きく左右する現在、親の中には、子供にバイリンガルになるための教育を惜しまない親も多くいます。

特に就学年齢の子供がいる親の多くは、自身が英語で苦労したことのある世代であり、英語が話せることに憧れを持つ年代が大部分です。

そのため、子供には英語で苦労させたくない、ネイティブと変わらない発音を身に付けさせたいと思っている親が大多数と言えます。

昨今では「英会話」というレベルに止まらず、子供にバイリンガル教育を実践する家庭も増えてきていますし、バイリンガルに育てる教育方法は、子供を持つ大多数の家庭の関心分野のひとつとも言えます。

家庭内で子供には英語で話しかけているお母さん、ずっと英語のアニメを流しているという家庭などなど、それぞれが試行錯誤して、なんとか英語を習得させようと努力しているのです。

しかし、バイリンガル教育は時として子供にマイナスの影響を与えることもあることも理解する必要があります。

バイリンガル教育のリスクとはどんなものがあるのでしょうか。

バイリンガル教育は思考発達を阻害する可能性

英語の早期教育を反対する意見でよく聞かれるのが、日本語という母語が確立する前に英語を学ぶことで、母語である日本語力が育たず、それにより思考力の発達が阻害されるというものです。

人間の言語能力は、日常生活でコミュニケーションをする際に使用する「生活言語能力」と、教科学習などの勉強に必要な「学習言語」に分けられるのですが、英会話だけに集中して母語の学習を疎かにしていると、勉強に必要な学習言語の発達が阻害され、後の勉強に悪影響が及ぶのです。

また、論理や深い思考、思いを的確に表現することができないため、思考力の発達を阻害してしまいます。

どの言葉も母国語として確立せずに中途半端な状態の言葉しか習得できていない場合、英語でのバイリンガル教育があだとなってしまう可能性もあります。

「言語が思考を規定する」という考え方

サピア=ウォーフ仮説として知られている「言語が思考を規定する」という考え方があります。

Wikipediaでは、この理論を、「個人が使用できる言語によってその個人の思考が影響を受けることを体系化した理論である。」と紹介しています。

その影響の度合いについての賛否両論はありますが、関連性があることを示す実験結果は多くあり、私たちが何かを思考する際に、言語が何かしらかの影響を持っていることは概ね理解できる点だと言えます。

つまりさまざまな現象が起きたり感情を持った時に、それらを言語化できる「言葉」があることで、それらを的確に定義し、認識できるのです。

そのような意味で、英語や日本語は流暢に話せるのだけれども、学習言語を習得できずに育った子供は、抽象的な概念などの理解が難しく、議論や学術文書の理解ができないという問題が生じるのです。

これらは中途半端な状態で複数の言語を習得する子供たちの共通する問題とも言えます。

この兆候が見えたら、バイリンガル教育を中断しよう

両親がどちらとも日本人で、日本国内に居住している家庭でも、子供をバイリンガルに育てるために家の中では英語で話しているという家庭もあります。

しかし、もし子供が英語に拒否反応を示し始めた時には中断した方が良いです。

その時は無理強いしないのが一番です。

言語の習得は、最終的に本人がどれだけ自主的にその言語を習得して行こうとするかが、成功するかしないかを左右します。

本人が拒否し始めたら、それ以上の成長は停止するか、鈍化します。そしてその言葉が嫌いになってしまうのは本末転倒です。

それでも続けるのは、親のエゴです。

一旦は中断しても、また何かのきっかけでその言語を始めてみようと思う日がくるでしょうし、もしくは親の方でそのように仕掛けることも可能でしょう。

極論、英語ができなくても生きてはいけます。

英語に適性がないならば、中国語を習わせてみても良いでしょう。圧倒的な人口を誇る中国語を学ぶことは、将来の仕事にも十分に役立ちます。

言語がダメなら、スポーツ、コンピューター、アートなど、子供の適性をしっかり見て、その後押しをしてあげましょう。

無理強いはしない。

子どもが楽しみながらやっていくことが、バイリンガル教育の一番の肝なのです。

まとめ:早期英語教育は絶対にやるべき!その上で・・・

英語 教育 まとめ

2020年から全国で小学校3〜4年生から英語が必修化しました。

また今後、中学、高校では英語の授業は英語で行うという方針を打ち立てており、日本の英語教育が大きく変化しようとしています。

しかし、このような英語教育の導入には反対の声も少なくありません。

特に、母語である日本語の力をしっかりと蓄える前に外国語を学ぶことへの弊害を唱える人も多く、いまだに議論はある中で、走り出している学校の英語教育です。

アジアで一番になるという目標を掲げて改革は進んでいるものの、実際の教育現場では教える教員の英語力不足、ALTなどの外部人材の利用も地域差があるなどの問題もあり、試行錯誤が続いている状況と言えます。

各家庭で子供への英語教育をしている家庭も多く、子供の英語力の向上は親の大きな関心事です。

英語の早期教育にはいまだ賛否両論はありますが、結論的には早期教育は絶対にやった方が良いものです。

英語の習得が英語ネイティブと同じようにできるのは、12〜15歳くらいが臨界期とも言われていますが、それよりも前に英語に触れさせ、英語力を磨いていくことは、将来の大きな財産になるからです。

低年齢で英語を始めることで母語の習得が遅れるような環境は、逆に作るのが難しいものです。0リスクではないとは言え、早期に英語を始めることで得られるメリットの方がより大きいものと言えるでしょう。

そして英語の早期教育を実践する上で重要になるのが、子供が英語に触れ学ぶことを楽しめる環境作りです。

そのためには、子供だけでなく、親も一緒に英語の勉強に真剣に取り組み、そして英語の勉強を楽しむことが大変重要です。

親が真剣に英語に取り組む姿を見せること、そして自然と家庭の中で英語に触れられるような環境づくりが、子供への早期英語教育の成功の鍵です。

学校での英語教育だけに任せるのではなく、より高い次元で英語を駆使できるよう、家庭内でもぜひ取り組んでください。

英語コーチングは新たなステージへ! 利用者のニーズや問題に応えたコーチングを提供するENGLEAD(イングリード)
英語を習得するには合計3,000時間の学習時間が必要とされています。しかし、仮に半分の1,500時間を勉強しようと思った時に、毎日1時間の勉強をしても4年以上の歳月が必要になります。...

関連記事