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英語多読のやり方完全ガイド|効果が出る始め方・3原則・教材選びまで解説


英語多読は、辞書を引かずに大量の英文を読み進めることで、英語を英語のまま理解する力を育てる学習法です。第二言語習得研究(SLA)の分野では、インプット量の増加が語彙・読解・リスニングなど幅広いスキルの底上げにつながるとされており、近年その効果に注目が集まっています。

ただし、「とにかくたくさん読めばよい」という理解だけでは、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。正しいやり方と3つの原則を押さえることで、同じ学習時間でも得られる成果に大きな差が生まれます。

この記事では、英語多読の基本的な考え方から始め方、レベル別の教材選び、続かない場合の対処法まで、ステップ別に解説します。アウトプット練習との組み合わせ方も紹介しているので、多読を英語力全体の向上に活かしたい方の参考になれば幸いです。

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英語多読とは?精読との違いと効果

英語多読とは、自分のレベルより少し易しい英文を、辞書を使わず大量に読み進める学習法です。ひとつの文章を細かく読み解く「精読」とは対照的に、全体の流れや文脈から意味を推測しながら読み進めることに重点が置かれています。

精読は文法の正確な理解や難解な表現を習得するうえで有効ですが、すべてのテキストを精読しようとすると、読むスピードが上がりにくく、英文を英語のまま処理する回路が育ちにくいという側面もあります。多読は、英語を日本語に変換するプロセスを経ずに意味を理解する「英語脳」を形成するための練習として位置づけられています。

英語学習の全体的な勉強方法では、読む・聞く・話す・書くという4技能をバランスよく伸ばす方法が解説されていますが、多読はそのなかでも「読む・理解するインプット力」を効率的に高める手段として活用できます。

多読で期待できる3つの効果

英語多読を継続することで期待できる主な効果は、次の3点とされています。

1つ目は、語彙力の自然な拡張です。多読を通じて同じ単語や表現に繰り返し触れることで、辞書で覚えた意味よりも実際の使われ方に即した語彙知識が積み上がっていくと考えられています。SLAの研究では、語彙は文脈のなかで反復的に接触することで定着しやすくなるとする知見が複数報告されています。

2つ目は、読解スピードと処理能力の向上です。大量の英文を読み進める習慣をつけることで、1文1文を訳さなくても意味が取れるようになり、読むスピードが徐々に上がるとされています。

3つ目は、英語の語順感覚・文法感覚の内在化です。文法ルールを意識的に当てはめなくても、自然な英文の流れとして理解できる感覚が養われていくといわれています。これはリスニングやスピーキングにも波及効果をもたらすと考えられています。

効果が出る英語多読の3原則

多読は「ただ読めばよい」というものではなく、研究者や実践者の間で広く共有されているいくつかの原則があります。特に重要とされているのが、以下の3点です。これらを守ることで、多読の効果を最大化できるとされています。

英単語の効率的な勉強法と組み合わせることで、語彙の定着もより促進されますが、多読中は語彙学習の姿勢をいったん切り離すことが大切です。

原則1 辞書を引かない

多読で最も重視される原則が「辞書を引かない」ことです。知らない単語に出会うたびに辞書を引いていると、読む流れが途切れて文脈の理解が断片的になってしまいます。また、辞書を引く時間が増えるほど、一度の読書で触れられる英文の量が減り、多読の効果が薄まるとされています。

知らない単語は、前後の文脈や場面の流れから推測する習慣を身につけることが重要です。意味が推測できなくても、読み進めるうちに同じ単語が繰り返し登場して自然に理解できるケースも多いとされています。もし、ひとつのページで知らない単語が多すぎて意味が取れない場合は、教材のレベルが高すぎるサインと考えるのが適切です。

原則2 返り読みしない

2つ目の原則は「返り読みしない」ことです。返り読みとは、理解できなかった箇所に戻って再度読み直す習慣を指します。日本語を母語とする英語学習者に多く見られるこの習慣は、英語を左から右へ流れるように処理する力の発達を妨げる原因になるとされています。

英語は語順が意味の構造に直結している言語です。英文を英語の語順のまま理解する力を養うためには、文頭から文末にかけて一方向に読む練習を積み重ねることが有効とされています。理解できない部分があっても、全体の文脈から補完しながら先へ進む姿勢を大切にすることが、多読の根本的な考え方につながっています。

原則3 興味のあるテーマを選ぶ

3つ目の原則は「興味のあるテーマを選ぶ」ことです。多読の効果を出すためには継続が不可欠であり、継続のためには読むこと自体が楽しいと感じられる教材選びが重要です。

言語学者のスティーブン・クラッシェン(Stephen Krashen)は、インプット仮説(i+1理論)のなかで、現在の習熟度より少しだけ上のレベルのインプットを「不安なく理解できる状態」で受け取ることが言語習得を促進すると述べています。テーマへの興味は、難易度に対する心理的な負荷を下げ、より多くのインプットを自然に吸収できる環境をつくるとされています。

英語多読の始め方・ステップ別解説

多読を始める際には、いきなり大量の英文を読もうとするのではなく、段階的に準備を整えてから進めることが効果的とされています。以下の4ステップが実践の参考になります。

ステップ1 語彙と文法の最低限を整える

多読をスムーズに進めるためには、ある程度の語彙力と基礎的な文法知識が土台として必要とされています。一般的には中学校レベルの文法と、基本的な単語2,000語程度が身についていると、入門レベルの多読教材に取り組みやすいといわれています。

語彙については、単語帳を使った学習と多読を並行させることも可能ですが、多読中は語彙を調べることより「読む体験を積む」ことを優先するのが原則です。文法の土台が不安な場合は、基礎的な英文法の参考書を一冊仕上げてから多読に移行する方法も選択肢のひとつです。

ただし、「完璧な準備ができてから始める」と考えていると、いつまでも多読に取りかかれない場合があります。Graded Readers(段階別読み物)のLevel 0や1など、もっとも易しいレベルから始めることで、語彙・文法の準備が不十分な段階でも多読をスタートできます。

ステップ2 レベルに合った教材を選ぶ

多読の成否は教材選びに大きく左右されます。目安としては、1ページあたりの未知語率が2〜5%以下、つまり95%以上の単語を知っている状態で読めるテキストが適しているとされています。ERFoundation(多読研究の普及団体)や多読研究の知見では、過度に難しい教材は理解度を下げるだけでなく、読書の楽しさや継続意欲も削いでしまうと指摘されています。

Graded Readers(GR)はレベル分けが明確で、語彙数や文法レベルが管理されているため、多読の入門教材として広く用いられています。OxfordやPearson、Cambridgeなどが提供するシリーズは、レベル0から始まり段階的に難易度が上がる設計になっています。

教材の難易度が適切かどうかの判断に迷う場合は、「読んでいて8〜9割程度の内容が理解できるか」「辞書なしでも大筋がわかるか」を基準にするとよいとされています。

ステップ3 読む量・ペースを設定する

多読では、1回の学習時間や週あたりの読書量をあらかじめ設定することが継続のポイントとされています。1日15〜30分、または100〜200ページを月間の目安として設定するなど、無理なく続けられる量から始めることが推奨されています。

多読研究では、累計100万語に達した学習者が語彙力・読解力において顕著な向上を示したという報告があります。ただし100万語は長期的な目標であり、最初から高い目標を設定して挫折するより、まず1万語・10万語と段階的に目標を積み上げる方が実践的とされています。

記録をつける習慣も継続の助けになります。読んだ本のタイトル、ページ数、日付などをシンプルに記録することで、自分の進捗が可視化され、続ける動機になるといわれています。

ステップ4 慣れてきたらジャンルを広げる

多読に慣れてきたら、読むジャンルを少しずつ広げることが推奨されています。最初は1つのシリーズや同じ作家の本にとどまっていても問題ありませんが、さまざまなジャンル・テーマの英文に触れることで、語彙の幅が広がり、多様な英語表現に接する機会が増えるとされています。

興味のある分野のジャンルから広げていくのが自然な進め方です。ミステリー小説が好きな学習者は英語圏の人気シリーズから始め、徐々にSFや自己啓発書、ニュース記事などにも取り組むといった流れが考えられます。ジャンルを広げる際も、レベルが急上昇しないよう注意しながら進めることが大切です。

レベル別おすすめ教材と進め方ロードマップ

多読の教材は学習者のレベルによって大きく異なります。現在の英語力に合った教材を選ぶことが、多読の効果を引き出すうえで最も重要な要素のひとつとされています。

初心者(Graded Readers Level 0〜2相当)

英検3〜4級、TOEIC 400点前後を目安とした初心者レベルでは、Graded ReadersのLevel 0〜2が多読の出発点として適しているといわれています。このレベルの教材は、使用語彙が数百〜1,000語程度に絞られており、シンプルな文型が中心となっています。

代表的なシリーズとして、Oxford Reading Tree(子ども向け絵本シリーズ)やOxford Bookworms Library(Starter / Stage 1)、Penguin Readers(Level 1 / 2)などが挙げられます。絵や挿し絵が多いほど、文脈からの意味推測がしやすくなるため、視覚的なサポートのある教材を選ぶことも有効とされています。

このレベルの段階では、読むことに慣れ、英語への抵抗感を減らすことが主な目的です。語数や読書時間にこだわりすぎず、「楽しく読み続けられる」感覚を大切にすることが、多読習慣を定着させるうえで重要とされています。

中級者(GR Level 3〜5 / 英語版児童書)

英検2〜準1級、TOEIC 600〜800点程度を目安とした中級者レベルでは、Graded ReadersのStage 3〜5相当に加え、英語圏で実際に出版された児童書への移行が選択肢に入ってきます。

Harry PotterシリーズやThe Chronicles of Narnia、Charlotte’s Webなど、英語圏の子ども向けクラシックは、多読の中級段階でよく活用されています。これらはネイティブの子ども向けに書かれているため、自然な英語表現が豊富に含まれており、語彙・表現の幅を広げるのに適しているとされています。

また、YA(ヤングアダルト)小説も比較的読みやすいものが多く、ストーリーへの引き込まれやすさから継続の面でも評価されています。読むスピードがついてきたら、1冊の本を読み終えるまでの期間を意識して、長期間かけて1冊を消化するより一定のペースで読み進める習慣をつけることが大切です。

上級者(一般書・ビジネス書・ニュース)

英検準1〜1級、TOEIC 800点以上を目安とした上級者レベルでは、ネイティブ向けの一般書・ビジネス書・ニュースメディアへの移行が可能になってくるとされています。

The Economist、TIME、BBC News Onlineなどのニュースメディアは、時事的な語彙や難度の高い表現が含まれますが、記事ごとに完結しているためテーマを選びながら読み進めやすいという特徴があります。

ビジネス書や自己啓発書(Atomic HabitsやOutliersなど)は、日本語版で内容を把握してから英語版で読む「シャドーリーディング」的アプローチをとると、理解度が上がり多読としても進めやすくなるケースがあります。このレベルになると、読んだ内容を英語でまとめたり、アウトプットと組み合わせたりする練習が英語力全体の底上げにつながるとされています。

多読がうまくいかない原因と対処法

英語多読を始めてみたものの、思ったように進まないという経験は珍しくありません。うまくいかない場合には、共通したいくつかの原因が考えられます。

レベルが高すぎる教材を選んでいる

多読の失敗原因として最も多く挙げられるのが、難易度が高すぎる教材を選んでしまうことです。知らない単語が多すぎると文脈からの推測もできず、読む行為がストレスになってしまいます。

対処法としては、今取り組んでいる教材より2〜3段階易しいものに下げることです。「易しすぎる」と感じるくらいのレベルが、実は多読には適しているとされています。辞書なしで9割以上理解できて、かつ読んでいて楽しいと感じられる教材が、多読の観点からは最適とされています。プライドを優先してレベルを上げすぎることが、多読が定着しない原因のひとつです。

辞書を引いてしまう癖が抜けない

学校の英語学習では「知らない単語は調べる」ことが推奨される場合が多く、その習慣が染みついているために、多読中でも辞書を引いてしまうというケースがよく見られます。

この習慣を変えるには、「辞書を物理的に手の届かない場所に置く」「電子辞書アプリを閉じた状態で読む」など、辞書を引きにくい環境をつくることが有効とされています。また、「わからない単語があっても大丈夫」という感覚そのものに慣れるためには、意識的な練習が必要です。最初は1〜2ページ、徐々に1章分と、辞書なしで読める量を増やしていく練習が有効といわれています。

続けられず途中でやめてしまう

多読は継続が前提であるため、習慣として定着させるための工夫が必要です。続かない原因として多いのは、「目標が高すぎる」「教材に興味が持てない」「読む時間が確保できない」の3点とされています。

対処法としては、読む量の目標を現実的に下げ、毎日10〜15分でも英語に触れる「小さな習慣」として設計し直すことが有効です。読む時間は通勤・通学時間や就寝前など、日常の行動と紐づけることで継続しやすくなるといわれています。

また、一人でできる英会話の練習方法で紹介されているような、学習習慣を仕組み化するアイデアは、多読の継続にも応用できます。学習の記録をつけて進捗を可視化することも、モチベーション維持に効果的とされています。

多読とアウトプットの組み合わせ方

多読はインプット中心の学習法ですが、アウトプット練習と組み合わせることで、英語力全体の向上がより期待できるとされています。インプットだけでなく、得た知識を実際に使う機会を設けることで、言語の定着が促進されるとする研究知見もあります。

多読 × シャドーイングの組み合わせ

多読で培った語彙や文法感覚は、音声を使ったアウトプット練習にも活きてきます。シャドーイングとは、音声を聞きながらほぼ同時に声に出して真似する練習で、発音・リズム・イントネーションの習得に効果があるとされています。

シャドーイングの効果とやり方で詳しく解説されていますが、多読で出会った表現をシャドーイング素材として活用すると、インプットとアウトプットの相乗効果が期待できます。多読で理解した内容をシャドーイングで声に出すことで、英語の処理回路がより強固になるとされています。

また、シャドーイングにおすすめの無料アプリを活用することで、スマートフォンひとつで手軽にシャドーイングを取り入れられます。

多読 × リスニング・ディクテーション

多読で培った語彙・読解力は、リスニング力の向上にもつながると考えられています。英語を文字で理解できる語彙は、音で聞いたときの認識に先行する場合が多く、多読によって文字レベルでの語彙が増えることがリスニングの伸びを支えるとされています。

英語リスニングが上達しない原因と対策では、リスニング力の向上に必要な要素が解説されています。多読と並行してリスニングの訓練を取り入れることで、インプットの量と質を両面から高められます。

さらに、ディクテーションのやり方と効果で紹介されているディクテーション(聞こえた音声を書き取る練習)は、音の聞き取りと文字の結びつきを強化するうえで有効です。多読で語彙を蓄えた後にディクテーションに取り組むと、単語を「音として認識する」精度が上がりやすいとされています。

また、英語の発音を矯正する方法で解説されているような発音練習と組み合わせることで、音と文字の一体化がさらに促されます。

多読 × スピーキングへの応用

多読で吸収した語彙や表現をスピーキングに活かすことで、実際に使える英語へとつなげることができます。インプットとしての多読が積み上がると、英語で話す際の語彙の引き出しが増え、自然な表現が出やすくなるとされています。

英語スピーキングを克服する方法では、話すことへの苦手意識を克服するための具体的な方法が解説されています。多読を通じて英語の語順感覚が身についてくると、スピーキングにおいても語順を意識せず自然に英文を組み立てられるようになるケースがあるとされています。

多読で読んだ内容を、口頭で英語のまま要約してみる「リテリング」練習は、インプットをアウトプットへと変換するうえで有効とされています。

独学の多読には限界もある

英語多読は自主的に取り組める学習法ですが、独学を続けるなかで「本当に効果が出ているのかわからない」「どのレベルの教材に進めばよいかの判断が難しい」「アウトプットが伸びている実感がない」という壁にぶつかることがあります。

多読はインプット量を増やすうえで非常に効果的ですが、それ単体では発話の正確性や実際の会話で使えるレベルへの到達は難しいといわれています。特に、英語を仕事で使う必要がある社会人や、英語コーチングで効率的に学びたいと考えている方にとっては、学習の全体設計を専門的な視点から組み立てることが近道になる場合があります。

イングリードの英語コーチングでは、英語力の現状分析から始め、多読・語彙・スピーキングなどを組み合わせた個人最適なカリキュラムを設計しています。「何から始めれば効果が出るか」「多読をどのタイミングで取り入れるべきか」という判断も、専任コーチがサポートします。

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まとめ

英語多読について、以下のポイントを解説しました。

  • 多読とは、辞書を使わず大量の英文を読み進めることで、語彙・読解・英語感覚を育てる学習法
  • 効果が出るための3原則は、辞書を引かない・返り読みしない・興味のあるテーマを選ぶこと
  • 始め方のステップは、語彙と文法の土台を整える→レベルに合った教材を選ぶ→読む量を設定する→ジャンルを広げる
  • 初心者はGraded Readers Level 0〜2、中級者は英語版児童書やYA小説、上級者は一般書・ニュースが目安
  • 続かない原因の多くは、レベルが高すぎる・辞書を引く癖・目標の高すぎる設定にある
  • シャドーイング・リスニング・スピーキングとの組み合わせで、多読の効果をアウトプットにつなげられる

多読は、正しい教材選びと3原則を守ることで、英語のインプット力を底上げする有力な手段のひとつです。ただし、独学での取り組みには限界を感じる場面もあります。

英語力を効率よく伸ばしたい、学習の全体設計を見直したいという方は、まずは無料カウンセリングで現状を整理してみることをお勧めします。

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