スピーキングにコンプレックス? 日本人の弱点である英語スピーキングの問題点を分析 | イングリード
法人のお客様はこちらchevron_right
  英語 スピーキング

スピーキングにコンプレックス? 日本人の弱点である英語スピーキングの問題点を分析


ビジネスパーソンの半数以上が、英語のスピーキングが一番難しいと回答したことが、「英語のスピーキングに関する実態と意識」調査において判明しました。

調査は、日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が、現在英語を学習している全国の20代~50代のビジネスパーソン男女500名を対象として、インターネットで実施したものです。

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000051295.html

英語で話すことが好きな人は、「好き」「どちらかと言えば好き」を合わせると85%と高い一方、英語を話すことが「苦手」「どちらかといえば苦手」な人は50%を超えています。

また英語の4技能の中で一番難しいと思うものは何かを質問した結果は、「スピーキング」と回答した人が最も多く55.8%で、2位の「リスニング」(27.6%)の比べて2倍以上の人数となっています。

自分の英語の発音に自信がないため「英語を話したくない」と思ったことがある人は6割以上いましたが、一方で、ネイティブのような発音で話せるようになりたいと思っている人の割合は9割で、ネイティブへのあこがれの高さがうかがえます。

日本人が抱える英語の問題! スピーキングができない

英語 スピーキング 問題

中学高校の6年間学び続けていても、日本人の英語スピーキングのレベルは世界的に見ても低い状態が続いています。なぜ日本人は英語のスピーキングが苦手と感じてしまうのか、英語スピーキング力の低さは何が理由なのか?についてお伝えしていきます。

日本語と英語の言語間距離は最も遠い組み合わせ

まず言語間距離とは、互いの言語がどれくらい違いがあるか?もしくは似ているのか?を分析するものです。分析項目は主に、文字・文法(語順)・発音などとされています。

例えば、日本語はひらがなカタカナ漢字という3種類の文字を使い、語順は「主語+目的語+動詞」となりますが、一方、英語はアルファベットを使い、文の構成も「主語+動詞+目的語」と異なります。発音もその違いも明らかですよね。

このように日本語と英語は、文字や文の構成、発音など様々な面において、似通ったポイントが少なく、言語間距離が遠い組み合わせとなります。

その反面、韓国語は文法や語彙の面で日本語との共通点が多い言語とされています。そのため英語を学ぶよりも簡単に感じる人が多いようです。

そもそも英語のスピーキングチャンスがない

海外からの旅行者が近年増加しているとはいえ、日常生活において英語スピーキングの機会は殆どありません。

外資系企業などビジネスで英語を使う機会がない限り、日常に英語が溢れている環境ではないため、英語を学んでもスピーキングを実践する場が乏しいという問題を英語学習者は常に抱えています。

日本の英語教育は英語文献を読むことが目的?

そもそも日本の歴史において、外国語を学ぶ目的は海外の文献を読んで情報を得る、つまり海外の進んでいる技術を取り入れるためでした。

そのため学校教育もその流れを組み、英語はスピーキングよりも「文法・読解・英作文」などの読み書きが重視されてきた背景があります。

また、読み書き中心の方が点数化しやすいこともあり、文章を読むための英語の知識や文法などを問う問題が多くを占め、日本人のスピーキング能力の低下を招く結果につながっています。

日本語と英語では音素の数が倍近く違う

日本語は5つの母音と16の子音を持ちますが、英語は母音だけでも20を数え、24の子音を加えると音素の数は44にもなります。

さらに英語には 短母音だけでなく二重母音なども存在し、バリエーションが豊富なため、カタカナ読みで英語を学んでしまうと正しくスピーキング力を身につけることが難しくなります。

正しく音を発音するためには、口や舌の正しい動かし方を学ぶことが欠かせません。その点においても、日本人がスピーキングをハードルが高いと感じる所以ではないでしょうか。

内向的な性格がスピーキング上達の機会を奪っている

日本人は周りの空気を読む人が多く、「正しい」英語、「きれいな」英語を求めるあまり、英語をうまく話せないことに後ろめたさを感じて、なかなか積極的にスピーキングができません。

語学学習においてインプットはもちろん大事ですが、やはりアウトプットが不足してしまうと上達するスピードは遅くなってしまいます。

いろんな学習教材を使って長い間勉強しているにもかかわらず、スピーキングが苦手だと感じる人は明らかにアウトプット不足といえるでしょう。

間違ったスピーキングの勉強方法

英語 スピーキング 間違い

英語学習者がついやってしまう「間違った」スピーキングの勉強方法について、ここではお伝えしていきます。

基礎構築のインプットを飛ばしてしまう

スピーキングの上達にはアウトプットが必要とはいえ、何の知識を入れることなく、ただ会話を始めようとするのは無謀な挑戦です。

通じない文章構成や発音でアウトプットしても、スピーキング力は向上しないからです。

そもそも知識が不足している状態では自分の考えを言葉に出すことはできませんので、まずは基本的な文法や単語を学び、発音を頭に入れてから、スピーキングに取り組むことが重要です。

過剰なまでのネイティブ信仰

ネイティブのような言い回しを使ってスラスラと会話を進めたい気持ちはよくわかります。ただ、ネイティブといっても国によって様々なスラングや表現方法があるため、実のところ応用範囲はそれほど広くありません。

私たちが目指すべきスピーキング力はまず、どの地域にいる誰にでも通じる、伝わる表現や発音を学んで話すことではないでしょうか。

つまり、基本的な語彙力や文法力を身につけることこそが、ネイティブの言い回しをいくつも覚えるよりも、スピーキング力を磨く上で大事なことなのです。

質の低いアウトプット学習をする(化石化)

スピーキングに必要な知識を持ち合わせていない状態で無理やり話そうとすると、質の悪い文章、つまり相手に通じない悪文を創作してしまうことがよくあります。

学習において試行錯誤は大事ではありますが、創作した悪文は、なかなか自分では剥がしきれないものです。

いちど自分の中で定着してしまう(化石化)と、後で正しい文章を学び、修正しようとしても、なかなか変えることができなくなりますので注意が必要です。

初期段階から発音を意識していない

発音を意識せずスピーキング力を上げようとすると、途端につまづきます。発音以外の項目、文章構成や文法が合っていたとしても、相手に内容が伝わらないからです。

伝わらない英語をいくら練習しても意味が全くありません。

先ほども述べた通り、日本語と英語では音素の数が倍近く違います。それらの音素を正しく理解し発音できてはじめて、スピーキング学習のスタートラインに立てたと言えるのです。

目標設定が曖昧になってしまう

どの程度のスピーキング力が求められるか?は留学やビジネスでの使用など目的によってそれぞれ異なります。

自分にとって何が必要なのか?を見極めず、達成したい期日や数値を入れずにざっくりとした目標を立てて進めてしまうと、結局、あいまいな結果にしか到達できません。

忙しい中で必死に生み出した学習時間が無駄になってしまいます。

スピーキングの要素を3つに分解してみよう

英語 スピーキング 要素

スピーキング力を考える時には、「概念化」「文章化」「音声化」この3つの要素に分解した方が分かりやすくなります。ではひとつひとつ見ていきましょう。

概念化/スピーキングの要素

言いたいことが頭に浮かぶが英語としてアウトプットできない、もしくは、質問されても言いたいことが浮かんでこない場合、「概念化」のスキルが弱い可能性があります。

ここで言う「概念化」とは、頭の中にある伝えたい要素をまとめること、です。

スピーキングの問題/言いたい日本語を英語にできない

日本語としては「当たり前」の言い回しだったとしても、英語で表現しようとすると「これ!」といった表現が思い浮かばない…そんな状況に直面することはありませんか?

日本語は、「誰がどうした」の「誰」が抜けていたり、同じ意味を持つ言葉「食べる」「召し上がる」「いただく」など複数存在したり、語尾を変えることでニュアンスが変わったりする言語です。

日本語をそのまま英語に落とし込もうとすると、自身の英語レベルを超えた表現が必要になる場合が多々あります。

まずはシンプルに伝えたいポイントは何か?を探り、シンプルで簡単な日本語にして考えることで、英語表現のスピードは早まるはずです。

スピーキングの問題/言いたいことが思い浮かばない

自分の発言に対し「なぜそう思うのか?」と尋ねられて、答えが思いつかない経験はありませんか?

日本語では「そうだよね!」など共感の言葉を使って同意のニュアンスを伝えることが主流なため、そもそも理由を伝えるという機会は多くありません。そのために、何でも論理的に話す英語圏の人からの「なぜ?」に戸惑ってしまうのです。

英語のスピーキングでは、会話ひとつとっても日本語とは違うと認識すること、英語で理由を確認することについての否定的な意味はなく、相手への興味の示し方のひとつであることは踏まえておくといいでしょう。

スピーキングの概念化を鍛える方法

日本語らしい表現はまず、簡潔な日本語に変換するようにしましょう。

外国人に対して日本語で道案内する時のように、子どもにやり方を説明する時のように、平易な日本語で直感的に分かりやすい表現を考えます。

また、意見を述べる時には必ずその理由「どうしてそう思ったのか?」も合わせて考えるように意識づけしていきましょう。

阿吽の呼吸を相手に求めてはいけません。日本語で話す時にも常に意識することによって、いざ英語をスピーキングするときにもあたふたしなくなります。

文章化/スピーキングの要素

文章化の問題としては、大きく2つあります。ひとつは文法も構文も単語も理解しているから読めるのに、なぜかスピーキングとなると言葉が出てこないパターン。もうひとつは、知っている表現なのに、スピーキングでは上手く使いこなせないパターンです。

スピーキングの問題/文章は読めるのに話せない

英語を読むことはスラスラできるのに、スピーキングとなると英文が出てこないのは、単純に語彙や文法・構文の知識が不足しています。

読む場合は「なんとなく知っている」状態でも文脈の前後関係で意味を理解できるので問題ありませんが、スピーキングの場合には、必要なものを「引き出して組み立てる」作業が加わります。

瞬時の判断力、つまりパッと伝えたい内容の英文を頭に浮かべられるかどうか?も求められますから、スピーキングではより一層正確な知識が必要とされるのです。

スピーキングの問題/語弊や言い回しなどを使いこなせない

スピーキングはライティングとは違って、単純に文章を組み立てる以外の作業も求められます。相手が何を発言したか?を聞き取ることに加え、相手に伝わるように発声しなくてはいけません。

日本語であれば苦も無くできることも、外国語である英語の場合は、マルチタスクがかなりの負荷となってしまいます。そのため、知っていても上手く使いこなせない、ということが起こりえるのです。

スピーキングの文章化を鍛える方法

スピーキングで必要とされる語彙や文法・構文の知識をまずは増やしていきましょう。細かいニュアンスの違いを学ぶことで、スピーキング時の戸惑いは減らすことが出来ます。

さらに、瞬時の判断力を強化させるために、日本語の簡単な表現を瞬時に英語に変換するトレーニングを取り入れましょう。トレーニングに取り組むことで、自分の弱み、強化すべきポイントを探ることができ、スピーキングの運用能力も伸ばしていけます。

音声化/スピーキングの要素

音声化の問題点は、まず英語そのものが聞き取れないこと、もうひとつは、正しく口や舌を使えないことによって発音が上手くいかずに伝わらないことです。

スピーキングの問題/英語を正しく聞き取れない

英語が正しく聞き取れないのは、英語のスピードに付いて行けないことだけが問題ではありません。

単語を学ぶ時に正しい発音で覚えていないと、そもそも聞き取った単語が何か?が分からないのは当たり前ですよね。

単語と単語のつながりで音が変わる(リエゾン)の知識が欠けていても、正しく聞き取ることは難しくなります。

また文法や語法を知らないままでは、単語は聞き取れても、内容を把握することはできません。

スピーキングの問題/発音が悪くて伝わらない

英語を話すと何度も何度も聞き返されて心が折れる…本当に辛いですよね。

英語には日本語にはない発音がたくさんあります。よく例に上がる「L」と「R」といった子音だけでなく、実際には、母音の発音が上手くできない人も多いのが特徴です。

たとえ正しい文章を作れたとしても、発音が悪くて相手に聞き取ってもらえなければ意味がありません。

スピーキングの音声化を鍛える方法

スピーキングだけでなく英語学習全般においての基本ですが、単語を覚える時には発音まで気を配って学習する、文法や構文の知識を増やすなど知識をインプットすることが欠かせません。

また音読などのトレーニングで、正しく口や舌を動かせるスピーキングの訓練を行うことも効果的です。

特に日本人は声が小さかったり、もごもごと話す人が多いので、普段よりも大きな声を出して、はっきりと分かるように話す事を心がけるだけでもずいぶん変わります。

スピーキング力の向上に必要なマインドセット

英語 スピーキング マインド

自身の可能性を抑制するマインドセットを取り払って、自信をもって学習に取り組むことができれば、スピーキング力の向上につながっていきます。ここでは意識したい3つのポイントについてお伝えします。

自分のスピーキング・レベルを受け入れる

これまで述べてきたとおり、スピーキングには総合的なスキルアップが欠かせません。自分が今どのレベルにいるか?が分からないと、注力すべき学習項目を定めることが出来なくなります。

ただ、やみくもに学習するのは効率が良くないのでおすすめしません。レベルにあった学習方法を選択するためにも、自分の現在地を正確に把握しましょう。

ネイティブのように話すことを辞めてみる

第二言語として使う英語とネイティブスピーカーの英語は違うのが当たり前。ですが、その違いを劣っていると感じているのなら大きな間違いです。

英語はあくまでもコミュニケーションツールです。

ネイティブのように話すことではなく、英語できちんと意思疎通をすることがそもそもの目的のはずです。高いレベルを目指して挫折したら本末転倒です。

理解できない場所があれば聞き返す

相手の英語が理解できないことがあるのはよくあることです。母語の日本語でも、1回聞いただけで完璧に理解できないことはあります。

大事なのは分かったふりをしてその場をやり過ごすことではなく、きちんとコミュニケーションをとることです。

英語をスピーキングしている時は別人格をつくる

日本語と英語は極端に異なる、言語間距離は遠い組み合わせですから、声の出し方もジェスチャーの大きさなども違いますし、日本語を話す時と同じトーンで英語を話すと違和感が出てしまいます。

いっそのこと英語をペラペラ話すもう一人の自分を作り上げて、その人格で英語を使うようにしてみてはいかがでしょうか。

間違ったら恥ずかしい、どうにも英語を話すのにハードルが高いという方にはおススメの方法です。間違えても前向きに捉えられるようになりますよ。

まとめ:スピーキングはアウトプットとインプットのバランス

英語 スピーキング バランス

スピーキング力を効率よく向上させるためには、やはりインプットとアウトプットのバランスが非常に大切です。

スピーキング力を鍛えたいと「話すこと」だけに重きを置いてしまうと、ある程度のレベルを超えると上達の伸びは鈍くなります。ですから、単語や文法・構文を学ぶことはスピーキング力の向上には欠かせないのです。

インプットした内容以上のものを人はアウトプットすることはできません。十分なアウトプットができるだけのインプットを根気よく続けていくことが大切です。

英語コーチングは新たなステージへ! 利用者のニーズや問題に応えたコーチングを提供するENGLEAD(イングリード)
英語を習得するには合計3,000時間の学習時間が必要とされています。しかし、仮に半分の1,500時間を勉強しようと思った時に、毎日1時間の勉強をしても4年以上の歳月が必要になります。...

関連記事