IELTSとTOEICを徹底比較/IELTSの勉強をすべき人とは?【スコア換算表付き】
国際的な英語力評価として広く認められるIELTSとTOEIC。それぞれの試験の概要や特徴、そしてどちらを選ぶべきかを比較する本ガイドでは、異なる利用目的から試験の実施形態までを詳細に解説します。
また、他の英語試験との比較やスコア別の解説、さらには具体的な受験メリットまでを掘り下げ、あなたに最適な選択肢を見つける手助けをします。IELTSとTOEICの間で迷っている方や次のステップを考えている方にとって、このガイドは必読です。
Contents
IELTSとは
IELTSはInternational English Language Testing Systemの略で、英語を母国語としない人に向けたテストで、英語力4技能であるリスニング、リーディング、スピーキング、ライティング全てを測るテストです。
IELTSは世界120カ国で実施され、年間100万人以上のが受験しており、世界的に教育機関や企業でも注目されているため、進学・就職採用の基準とされることが多いです。
IELTSの運営機関は、British Councilというイギリス政府により設立された非営利の国際文化交流機関であるため、イギリス英語がベースとなっているイギリスやオーストラリア、ニュージーランドといった国の英語力測定に使われています。
IELTS Academic(アイエルツ アカデミック・モジュール)
IELTS Academicは、海外の大学や大学院入学における英語力の証明に使われるテストです。そのため、内容についても大学の授業で扱われるようなアカデミックな内容で構成されています。
》IELTS Academic(アイエルツ アカデミック・モジュール)
IELTS General Training(アイエルツ ジェネラル・トレーニング・モジュール)
IELTS General Trainingは英語圏で大学や大学院に進学する以外で英語力を証明する必要がある際に使われます。一番多い利用用途は、海外における永住権獲得や移住です。
内容は、IELTS Academicと比較して比較的日常使用する内容の問題が出題されます。
》IELTS General Training(アイエルツ ジェネラル・トレーニング・モジュール)
IELTSのスコア
IELTSはAcademicとGeneral Trainingで出題傾向が異なるもののスコア換算については同じルールが適用されています。
IELTSの成績は4つのスキル(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)ごとに、1(最低)から9(最高)のバンドと呼ばれる段階評価でスコアがつけられます。
テスト結果は、各スキル毎の個別バンドと総合評価としてのオーバーオール・バンドスコアで表示がされます。
それぞれのバンドは、テスト結果には0.5刻み(7.0、7.5など)で示されます。
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TOEICとは
TOEICはビジネス英語の測定を目的に作られた試験で、主に就職活動や企業内の昇進昇格等で使われることが多い試験です。
TOEICにはTOEIC L&R(リスニング&リーディング)という聴く力と読む力に絞って英語力を測る試験と、TOEIC S&W(スピーキング&ライティング)という話す力と書く力に絞ったテストの2つがあります。
IELTSとTOEICをCEFERで比較
このように両方の試験とも、英語力4技能を測ることは可能ですが、IELTSは海外進学や海外への移住、TOEICはビジネスにおいて使用されるという点で受験の目的が異なるテストです。
では、IELTSとTOEICはどちらが難易度が高いテストなのでしょうか。
文部科学省が作成している下記の資料によると、IELTSの満点であるバンド9.0はCEFRのC2「母語話者と遜色のない熟練者」に相当しますので、非常に高い英語力であることがわかります。
一方、TOEICの満点であるスコア1990は、CEFRのC1「優れた言語運用能力を有する者・上級者」であり、高い英語力を持つレベルであるものの、IELTSの満点取得者よりは一つ下のレベルに位置します。
また、IELTSの全体バンドの50%以下である4.0は、CEFRのB1に位置するのに対し、TOEICの50%程度のスコアはA2に相当します。
この比較表からは、TOEICと比較をしてIELTSの方が高い英語力を必要とするテストであることが窺えます。
参照:文部科学省
TOEFLとTOEICのスコア比較表
では、具体的なIELTSとTOEICのスコアはどのような関係にあるのでしょうか。
下記はリスニング力とリーディング力を測るTOEIC L&RとIELTSやTOEFLを比較した表です。
IELTS | TOEFL iBT | TOEFL CBT | TOEFL PBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 120 | 297-300 | 673-677 | – | |
8.5 | 119 | 293 | 670 | – | |
8.0 | 117-118 | 287-290 | 660-667 | – | |
7.5 | 109-116 | 267-283 | 630-657 | 970-990 | |
7.0 | 100-108 | 250-263 | 600-627 | 870-970 | 1級 |
6.5 | 90-99 | 233-274 | 577-597 | 820-870 | |
6.0 | 80-89 | 213-230 | 550-573 | 740-820 | 準1級 |
5.5 | 69-79 | 192-212 | 521-549 | 600-740 | |
5.0 | 61-68 | 173-190 | 500-520 | 550-600 | 2級 |
4.5 | 52-60 | 150-170 | 470-499 | 500-550 | |
4.0 | 45-51 | 130-149 | 450-469 | 450-490 | 準2級 |
3.5 | 33-44 | 110-129 | 400-449 | 300-440 | |
3.0 | 29-32 | 100 | 391-399 | 291-299 | 3級 |
2.5 | 20-28 | 90 | 390 | 270-290 | |
2.0 | 12-19 | – | 350-389 | 260-269 | 4級 |
2.5 | – | – | – | 100-259 | 5級 |
TOEICの満点990はIELTSのバンド7.5に匹敵します。
また、IELTSの満点であるバンド9.0に匹敵するTOEICスコアはなく、ここからもIELTSの方がより上級者向けのテストであると言えるでしょう。
IELTSとTOEICを徹底比較
IELTSの方がTOEICよりも難易度の高いテストであることはわかりましたが、IELTSとTOEICは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
1 | 利用目的 | 留学や海外移住 | 就職や社内の昇進昇格 |
2 | 試験内容 | リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング | TOEIC L&R:リスニングとリーディング TOEIC S&W:スピーキングとライティング |
3 | 試験傾向 | IELTS Academic:学術的な文献など IELTS General:日常会話を想定 |
ビジネスシーンや日常会話など幅広くカバー |
4 | 試験時間 | 3時間弱 | TOEIC L&R:2時間 TOEIC S&W:1時間20分 |
5 | 受験費用 | 25,380円 | TOEIC L&R:6,490円 TOEIC S&W:10,450円 |
6 | 受験人数 | 国内約3万1000人 | 国内約240万人 |
7 | 実施回数 | 全国16都市でほぼ毎週実施 | TOEIC L&R:全国主要都市で12回程度 TOEIC S&W:全国主要都市で8回程度 |
8 | 実施形態 | ①筆記テスト + 対面型の面談 ②パソコンを利用 |
TOEIC L&R:筆記テスト(マークシート) TOEIC S&W:パソコンを利用 |
9 | キャンセル、日程変更 | キャンセル:6,300円 変更手数料:6,300円(初回は無料) |
TOEIC L&R:キャンセル、日程変更不可 TOEIC S&W:キャンセル 5,000円、変更手数料 2,750円 |
10 | 持ち物 | パスポート (筆記テストの場合は鉛筆と消しゴム) |
身分証明書(運転免許証や住民票など) |
11 | 試験結果の受け取り | 筆記テスト:試験から13日後 パソコンテスト:試験から7日後 |
TOEIC L&R:試験から3〜4週間後 TOEIC S&W:試験の1ヶ月後 |
1. 利用目的
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
1 | 利用目的 | 留学や海外移住 | 就職や社内の昇進昇格 |
IELTSは留学や海外移住として、TOEICは就職や社内の昇進昇格などビジネス上の英語力証明に利用されます。
TOEICは語学留学では、英語力の証明として使うことはできますが、海外の学校に進学・転入となると、IELTSもしくはTOEFLが使われることが一般的です。
2. 試験内容
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
2 | 試験内容 | リスニング・リーディング スピーキング・ライティング |
TOEIC L&R:リスニングとリーディング TOEIC S&W:スピーキングとライティング |
IELTSは1回のテストでリスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能を測ります。
一方TOEICはリスニングとリーディングを測るTOEICL&R、スピーキングとライティングを測るTOEICS&Wに試験が別れており、この2つの試験の両方を受験すれば英語4技能全てを測ることができます。
TOEICは未だL&Rがメジャーであり、S&Wの利用率は決して高くありません。
国内においては英語力の4技能を測るのであればIELTSかTOEFLというイメージが未だの強いのが実情です。
3. 試験傾向
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
3 | 試験傾向 | IELTS Academic:学術的な文献など IELTS General:日常会話を想定 |
ビジネスシーンや日常会話など幅広くカバー |
IELTSとTOEICでは試験傾向も大きく異なります。
IELTS Academicは、大学や大学院等のアカデミックな機関入学に使われることから、アカデミックな文献に関するリーディング問題やライティング問題が出題されます。
一方、IELTS Generalでは、日常会話を想定したテーマや日常目にする広告に関するリーディング問題、友人への手紙を書くライティング問題が出題されます。
TOEICに関しては、会社における会議や同僚との会話、メールなどに関する問題が出題されます。
また、IELTSとTOEICの大きな違いは試験に関する解答形態です。
TOEIC L&Rは全てがマークシートによる解答ですが、IELTSでは一部単語を受験者が解答用紙に記載する、もしくはパソコン上で入力することが求められます。そのため、正しいスペルを覚えておくこともIELTSでは要求されるのです。
4. 試験時間
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
4 | 試験時間 | 3時間弱 | TOEIC L&R:2時間 TOEIC S&W:1時間20分 |
試験時間は、IELTSは3時間弱程度、TOEICはL&Rが2時間、S&Wは1時間20分です。
IELTSは、リスニング30分、リーディング60分、ライティング60分、スピーキング20分でテストが行われます。
IELTSではスピーキングテストは面接官との1対1の面談方式で行われるため、リスニング、リーディング、ライティングの試験終了後待機をしてテストを受けるか、後日設定された日時にスピーキングテストだけを受けることになります。
そのため、待ち時間を換算すると半日や1日拘束されることになることも多いです。
また、IELTSでは試験前に顔写真撮影、指紋の登録などを一人ひとり行わなければいけないため、試験が始まる1時間以上前には試験会場に入ることが求められます。
このような点も考えると、TOEICと比較をし非常に拘束時間が長いハードなテストと言えるでしょう。
5. 受験費用
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
5 | 受験費用 | 25,380円 | TOEIC L&R:6,490円 TOEIC S&W:10,450円 |
IELTSの試験費用は、25,680円で、留学を目的として使用されるTOEFLと同じくらいの受験費用となっています。
一方TOEICはL&RとS&Wで試験料金が別れていますが、両方の試験を受けたとしても16,490円なので、IELTSよりかは値段を抑えて受験をすることができます。
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6. 受験人数
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
6 | 受験人数 | 国内約3万1000人 | 国内約240万人 |
IELTSの受験人数は2015年時点で3万1000人で、TOEICの受験人数240万人と比較をすると、国内においてはまだまだメジャーなテストではないことがわかります。
しかし、IELTSの受験者数はここ5年で4倍に増えており、国内でも大きく拡大をしているテストと言えます。
急拡大にはさまざまな理由がありますが、IELTSがアメリカをはじめとした世界の有名大学でも英語力の証明として使われることが多くなったことが理由と言われています。
これまでは、留学と言えばTOEFLというのが国内におけるイメージでしたが、TOEFLの問題形式は日本人には合わず、なかなかハイスコアを取ることができない受験者が大勢いました。
特にTOEFLのスピーキング問題は、日本人が苦手とするプレゼンテーション力に近いものが求められるため、多くの日本人のTOEFL受験者がスピーキングでつまずいています。
しかし、IELTSはスピーキングが対面のインタビュー形式で進められること、リーディングやリスニングの問題についても変な引っ掛け問題が限られているため、高得点を目指すことがTOEFLと比較をして難しくありません。
そのため、留学を目指して勉強する日本人がIELTSを受験するようになり、年々受験者数が増えているのです。
7. 実施回数
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
7 | 実施回数 | 全国16都市でほぼ毎週実施 | TOEIC L&R:全国主要都市で12回程度 TOEIC S&W:全国主要都市で8回程度 |
IELTSは全国の主要16都市でほぼ毎週実施がされています。
一方TOEICは開催回数はL&Rは年間12回程度、S&Wは8回と限られるものの、開催都市はIELTSより多く、主要都市に住んでいない人でも受験をしやすい試験となっています。
8. 実施形態
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
8 | 実施形態 | ①筆記テスト + 対面型の面談 ②パソコンを利用 |
TOEIC L&R:筆記テスト(マークシート) TOEIC S&W:パソコンを利用 |
IELTSの実施形態は、スピーキングテスト以外のリスニング、リーディング、ライティングのテストについてはペーパーテストとコンピューターテストの2つに分かれます。
ペーパーテストは集合型の筆記テストで、問題用紙と解答用紙が配られ試験監督が複数人いる大部屋でテストを受けます。
コンピューターテストは一人一台コンピューターが充てがわれてそれぞれのコンピューター上で解答をする形態です。
IELTSではコンピューターテストでもリスニング、リーディング、ライティングは試験官が時間を測ってテストが実施されます。また、スピーキングテストは1対1の面談方式で進められます。
通常は、試験官がいる部屋に通され、試験官の質問に答えるという形式ですが、コロナウィルスが蔓延してからは試験的に「ビデオ」よるスピーキングテストが実施されています。
この形態の場合は、試験官は別の場所にいて、パソコンの画面を通してインタビューをすることになります。
現在はビデオによるスピーキングテストは試験的な導入ですが、特に受験者に問題ないと判断された場合は正式導入が図られる可能性があります。
一方、TOEICはL&Rはペーパーテストで行われるため、大人数が収容できる場所で一斉に開始がされ、S&Wはコンピューターが設置された場所でコンピューターを通じてスピーキングとライティングのテストを受けることになります。
9. キャンセル、日程変更
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
9 | キャンセル、日程変更 | キャンセル:6,300円 変更手数料:6,300円(初回は無料) |
TOEIC L&R:キャンセル、日程変更不可 TOEIC S&W:キャンセル 5,000円、変更手数料 2,750円 |
IELTSでは、手数料を支払うことでキャンセルや日程、会場変更をすることができます。
キャンセル、日程・会場変更伴にそれぞれの試験毎に設定されている申込締切日まで手続きが可能です。
日程・会場変更については初回の変更は無料、2回目以降の変更に関しては手数料6,300円が必要となります。
TOEICL&Rは日程、会場変更伴に不可ですが、S&Wについてはキャンセルは5,000円、変更手数料は2,750円で行うことができます。
いずれも試験日毎に設定されている、キャンセル・変更期間までに手続きをすることが必要となります。
10. 持ち物
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
10 | 持ち物 | パスポート (筆記テストの場合は鉛筆と消しゴム) |
身分証明書(運転免許証や住民票など) |
IELTS、TOEIC伴に受験に当たってはIDが必要となりますが、一点大きく異なるのはIELTSはパスポートだけをIDとして認めている点です。
また、IELTSは受験前にWEB上でパスポートの写真をアップロードすることも求められます。当日試験では、それぞれの受験者のアップロードされたパスポートと持参したパスポートが同様のものかをチェックしてからテストが始まります。
また、IELTSのペーパーテストを受ける場合は、鉛筆と消しゴムの持参も必要です。
消しゴムはカバーを取ったもので、中に何も書かれていないもの、鉛筆はガラや文字が書かれていないものを持参することが必要です。
鉛筆削りはテストへの持ち込みが認められていないため、テスト中にどうしても使用したい人は試験官に申し出て会場の鉛筆削りを使うことができます。
11. 試験結果の受け取り
No | カテゴリー | IETLS | TOEIC |
11 | 試験結果の受け取り | 筆記テスト:試験から13日後 パソコンテスト:試験から7日後 |
TOEIC L&R:試験から3〜4週間後 TOEIC S&W:試験の1ヶ月後 |
最後に試験結果の受け取りですが、IELTSはペーパーテストの場合はテストから13日後、コンピューターテストはテストから7日後に受け取ることができます。
TOEICの場合は、L&Rは試験終了日から3~4週間後、S&Wの場合は試験の1ヶ月後となっているため、IELTSの方が早く試験結果受け取ることが可能です。
IELTSやTOEFLを持っている方はVERSANTは受験免除、逆にIELTSやTOEFLのスコアを持っていない方はVERSANTの受験を必須としている企業も多いです。
【公式HP】https://englead.jp/counseling/
IELTSとTOEICのスコア別でできること
では、IELTSとTOEICそれぞれについてバンドやスコア別にどの程度の英語力があるのでしょうか。
IELTS
IELTS バンド5.0〜6.0の場合
国や大学によって異なりますが、目安として大学進学に必要な最低スコアはIELTS Academic6.0、専門学校入学に必要なのはAcademicもしくはGeneralで最低5.5以上とされています。
大学進学については、6.0以上で受け入れている大学はあるもののあまり知名度がない大学であることが多いです。
英語力のレベルとしては、5.0〜6.0は日常生活レベルの英語力を駆使できるものの、時折理解や語彙力に欠けるレベルとされています。
IELTS バンド6.0〜7.0の場合
バンド6.0〜7.0は状況に夜英語力の差はあるものの、さまざまな場面で英語を使うことができる力があり、豊富な語彙と複雑な英語を理解する能力があるとされています。
IELTS Academicでバンド6.5以上を持っているとある程度有名大学への門戸が広がり、7.0まで取得をすれば海外MBAの入学が許可されるレベルです。
また、IELTS Generalで6.0〜7.0までを取得すれば、国や申請条件によりますが永住権獲得に向けた道が見えてくるレベルです。
IELTS バンド7.0以上
IELTS7.0〜8.0は、多少のミスは見受けられるものの、あらゆる場面において問題なく使える英語力を持っているレベルです。
バンド7.0以上を獲得できるのは、Academicの場合は受験者の上位15%程度、Generalの場合は上位10%程度と言われており、非常に限られた人しかこのバンドに到達することはできません。
IELTS7.0以上を持っていれば大抵の大学や大学院は、英語力という点については入学を認めてくれますし、8.0を持っていれば永住権獲得が非常に現実的になってきます。
TOEIC
それでは、TOEICではどうでしょうか。ここでは、TOEICL&Rに絞り、スコア別にできることを解説していきます。
TOEICスコア600以上
TOEIC600は「ある程度英語ができる」というイメージを相手に与えることができます。
英語力をある程度必要とする企業においては、TOEIC最低600というラインを設けている企業も多く、企業における英語評価の最低ラインと考えて良いでしょう。
スコア600を目指すには3,500以上の語彙力が必要とされています。
英語のレベルとしては、日常会話の大体は理解することができ、基本的な文法も定着しているレベルと考えて良いでしょう。
しかし、複雑な場面や難しいトピックに関する英語の理解、自分自身の意見や意思を相手に伝えることには課題が残るのがスコア600のレベルです。
TOEICスコア800以上
TOEICスコア800以上は、「英語力に優れている」という評価を得ることができます。
TOEIC800を持っていれば就職や転職の際に有利に働き、企業の選択肢を広げることもできます。
スコア800取得に必要とされる単語数は8,500語と言われており、これはTOELでいうスコア80以上に匹敵します。
英語力としては、ビジネス上のミーティングなどで問題なく会話についていくことができ、多少難しいシチュエーションでも自分の意見を相手に伝えることができるレベルと言われています。
IELTSを受験するメリット
ここまで紹介をしてきた通り、IELTSはTOEICより難易度が高い試験だということがわかりました。
正規留学を目指す方にとってはIELTSは避けて通れない道ですが、それ以外の目的で英語を勉強している方にとってIELTS受験のメリットはあるのでしょうか。
IELTSは「使える」英語を高めることができる
IELTSは実際に「使える」英語を測ることができるテストと言われています。
そのためIELTSの試験対策をすることで、日常、ビジネス、アカデミックなありとあらゆる場面において実際に使える英語を身につけることができるのです。
これは、英語の4技能全てを測っているという点だけでなく、IELTSの出題方式やテスト対策に必要なことを考えて使える英語が身につけられると言えます。
リスニング、リーディングについては文章や状況の全体的な理解と詳細を理解できていないと解答ができない問題が多く、またスピーキングやライティングについては論理的な文構造の組み立てや説得力についても採点時に見られます。
そのため、IELTSのテスト勉強をする際は、テクニック的な勉強だけでなく、きちんと理解し自分の考えを表現する力を高めることが求められるのです。
これは、英語のテストではなく、英語を使ってビジネスをする、勉強をするという点で必要とされる力であるため、IELTSのテスト勉強をすることで実際に使える英語を身につけることができます。
IELTSはビジネスでも有利
ビジネスではTOEICが英語力の指標として使われることが多いですが、外資企業においてはIELTSのスコアが評価されることが多いです。
特に海外で将来働きたいという方は、IELTSのスコアを企業人事に見せるだけで、「この人はビジネス上で使える英語力がある」ということを証明できます。
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IELTSとTOEFLでは、どちらがテスト対策しやすい?
ここまででは主にIELTSとTOEICの違いについて説明をしてきましたが、IELTSはTOEFLと近いというイメージが近い方が多いと思います。
ここでは、IELTSとTOEFLのテスト対策の違いを紹介していきます。
IELTSとTOEFLの違う点
IELTSとTOEFLは留学を目的とする点、英語力4技能を測る点では同様です。
また、難易度についても多少違いはあるものの、ほぼ同程度の難易度のテストと見てよいでしょう。では、どのような点で異なるテストなのでしょうか。
テスト形態が異なる
IELTSとTOEFLのテスト形態で異なるのはスピーキングテストです。
IELTSは対面型の面談をベースとしたスピーキングテストであるのに対して、TOEFLはコンピューターの質問に対して一方的に受験者が自分の意見を吹き込む形の試験です。
どちらが受験者に適したテストなのかは人によって違いますが、英語を普段使わない環境で生活をしている日本人にとってはIELTSのような対面型のスピーキングの方がスコアを上げやすいと言われています。
スコアの採点形式が異なる
こちらも先ほどご紹介した点ですが、TOEFLはコンピュータベースの採点方式であるのに対してIELTSは試験官による人の採点がベースになります。
そのため、IELTSではライティング、スピーキングの内容の一貫性が欠けていたり自分の主張がしっかりしていない内容だと減点対象になるケースがあります。
一方TOEFLでは多少論理性の欠如が見られいてもある程度の文章が書くことができている、もしくは話すことができれいるケースは減点がされず高得点を獲得することができます。
試験の進め方が異なる
TOEFLとIELTSでは試験会場内における試験の進め方も異なります。
TOEFLは試験会場に入った順で試験を受けるため、リスニング中にスピーキングのテスト音声を確認している人がいるという状況が発生します。
そのため、受験者からするとリスニングに集中したいのにノイズが入ってくるため集中できないという状況に陥りがちです。
しかし、IELTSはペーパーテストでもコンピュターテストでもリスニングやリーディングといった各セクションのテスト時間が区切られるため、受験者がそれぞれのセクションに集中することが可能です。
IELTSとTOEFLではどちらがテスト対策しやすい?
では、IELTSとTOEFLではどちらがテスト対策しやすいのでしょうか。
アメリカ英語に慣れている方はTOEFLの方がテスト対策しやすい
イギリス英語とアメリカ英語は発音、時にはスペリングまで異なる場合があるので、アメリカ英語に慣れ親しんでいる人や、アメリカ英語の音に馴染みがある人にはTOEFLの受験をおすすめします。
スピーキングはIELTSの方がテスト対策が容易
スピーキングセクションは対面のインタビューで実施されること、TOEFLにあるリスニングとリーディングの内容を要約する内容が出題されないことから、IELTSの方がテスト対策をしやすいです。
IELTSのスピーキングテストの場合は、オンラインの英会話レッスンの受講やIELTSの問題を想定した自分の意見を話す練習をすることで乗り切れるでしょう。
一方、TOEFLの場合はオンライン英会話レッスンに加えてそれぞれの問題に対する対策が必要になります。
一番日本人が苦手とするのは、リスニングとリーディングのようやく問題です。構文をある程度自分で用意して取り組まないと、テストの際にパニックになってしまい、無言のままテストを終わってしまったという話しも聞きます。
ライティングはTOEFLの方がテスト対策がしやすい
IELTSでライティングの高得点を取るのは非常に難しいと言われています。
質問にきちんと答えてもあまり高得点が取れなかった、ネイティブでも高得点を取れなかったという話しはよく耳にします。
高得点を取れない場合は、文章の論理構成や展開に改善の余地ありの場合が多いです。
先ほど触れた通りIELTSでは基本採点官の「人の目」を通じて採点がされるため、論理構成や文章の展開がいまいちの場合は低いバンドになってしまいます。
そのため、テスト対策としては高スコアを獲得したバンドの表現や文章展開を研究して自分自身のライティングスキルを向上させることが必要になります。
一方、TOEFLは指定されたテーマに対して必要とされる文字数で文章を構築することが必要になりますが、コンピューター採点が適用されているため、IELTSよりは採点基準が厳しくないと言われています。
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TOEFL・GTEC・英検・VERSANTとの違い
ここでは、IELTSやTOEICとよく比較をされる、TOEFL、GTEC、英検、VERSANTとの違いを紹介します。
TOEFL
TOEFLはアメリカを母体とした英語の試験で、IELTSと同様大学や大学院への進学における英語力の証明として使われます。
TOEFLの特徴は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能全ての試験がコンピューター上で行われる点です。
IELTSではペーパーテストとコンピューターテストが選択可能であり、スピーキングテストは対面のインタビュー形式で行われますが、TOEFLではペーパーテストは過去にあったものの現在は国内では実施されていなく、コンピューターを使ったテストしかありません。
リスニング、リーディングについては4択程度の解答から選択する問題形式、スピーキングについてはコンピュータに接続されたマイクに向かって自分の解答を話す形式になります。
また、採点に関してもTOEFLではコンピューターベースで進められます。
もちろん、選択式の問題でないスピーキングやライティングに関しては、採点者のチェックも入りますが、その前にコンピューターである程度初期の採点を行ってしまうのです。
そのため、TOEFLのスピーキングは話している内容のロジックや内容は点数に影響せず、解答時間中に英語を話し続けられているか、ミスのない文法や適切な単語を使っているかがテスト結果に大きく響きます。
一方IELTSはコンピューターではなく採点者による採点がベースになりますので、話しの論理性や内容の充実度などについても厳しく見られて採点されます。
GTEC
GTECはベネッセ主催の英語力検定テストで、英語のリーディング、リスニング、スピーキング、ライティング4技能全てを測定します。
GTECの特徴は下記のように受験者の年齢別にテストが用意されていることです。
参照:ベネッセ
GTECは国内の進学における英語力の証明、一部企業における英語力の証明として使用することができます。
大学進学時にGTECのスコアを提示することで英語の試験の免除をする大学も年々増えています。
GTECは試験自体ができてからまだ浅いため、まだ企業大学伴に試験内容が普及が仕切っていない事が現実です。そのため、今の段階ではTOEICの方が国内の進学やビジネスにおける英語力証明には使用できる試験と言えるでしょう。
》GTEC | スコア型英語4技能検定|ベネッセコーポレーション
英検
英検(日本英語検定)は5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級の7グレードに基づいて英語力を測る試験です。
英検では、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能を測っており、英検2級からは対面での英語面接によるスピーキング力のテストがあります。
日本においては英検の運営母体とIELTSの運営母体が同じ機関であるため、現在のところIELTSに一番近い試験形態は英検と言っても過言ではありません。
英検は、国内の大学進学における英語力の証明に使われるケースが多いですが、近年は海外の大学進学や留学においても、英検を英語力の証明として使えるケースが増えています。
VERSANT
VERSANTは英語のリスニング力とスピーキング力を測るイギリスを母体にしたテストです。
VERSANTは、試験会場に行く事なく、アプリまたはオンラインで受験をすることができます。
試験内容はネイティブスピーカーが話す音声(録音)を聞いて、即座に英語で応答する力を測るものです。
問題は、音読、復唱、質問への回答、文の構築、話の要約、自由回答式質問から構成されており、試験受験後コンピューターの自動採点システムで採点されたスコアを受験後数分後に確認することができます。
VERSANTはすぐに結果がでることから、外資系企業における英語力の診断に使われることが多いです。
IELTSとTOEFLのテスト対策まとめ:永住権申請や海外の大学進学ならIELTS
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