TOEICスコア換算について/配点の仕組みとTOEFL/IELTS/英検との違いは?
この記事では、「TOEIC スコア換算」に焦点を当てて、上位表示を目指します。TOEIC Listening&Readingテスト(以下、TOEIC)の採点方法について疑問をお持ちですか?
初めての受験者やスコア向上を目指す方々に向けて、TOEICスコアの算出方法を詳しく解説します。
さらに、TOEFLやIELTS、英検といった他の英語テストとの違いについても比較し、各テスト間のスコアの相関関係についてもご紹介します。興味を持たれましたら、イングリードの英語無料カウンセリングでさらに詳細をご相談ください。
Contents
TOEICのスコア換算は単純な足し算ではない
TOEICはリスニングパートとリーディングパート合わせて200問の試験。テストといえば「1問につき何点」「難しい問題はスコア換算が高い」というふうに考えてしまうかもしれませんが、TOEICはちょっと違います。
TOEICスコア全体のスコア換算の仕組み
TOEICスコアのスコア換算は、合否基準のない点数で表されます。リスニングパートとリーディングパートはそれぞれ5~495点で、合計10~990点になります。
正解数に応じて5点刻みで評価され、1問でも正解がない場合でも最低10点が保証されます。満点の990点まで到達するため、単純計算ではなく独自の算出方法が用いられています。
『全問正解=990点満点』とは限らない
『全問正解=990点満点』とは限らない、TOEICの実際のスコア付けについてご説明します。
TOEICは受験者全体の英語力の分布に基づいてスコアが決定されます。したがって、受験者全体の英語力が高い場合、全問正解しなくても高得点を獲得できます。
逆に、英語力が低い場合は、僅かな間違いでも満点を目指せることがあります。TOEICのスコアは単純な正答数だけでなく、受験者群の英語能力の平均と偏差によっても左右される複雑なシステムです。
TOEICスコアはどのように計算される?
TOEICでは、テストの難易度を一貫させるために高度な統計処理が用いられ、受験者の正答数からスコアを算出します。他の試験と異なり、単純な正解率ではなく、受験者全体の解答パターンとテストの難易度を考慮して点数が決定されます。
これにより、年度ごとの合格率のばらつきを回避し、公平な評価が可能になっています。また、テストの質は常に高く保たれていますが、わずかな難易度の違いは存在します。しかし、TOEICではその違いを統計的に補正し、スコアの一貫性を確保しています。
そのため、同じ英語力の受験者であれば、複数回の受験によるスコアの大きな変動は見られません。
リスニングのスコア換算
TOEICのリスニングパートは、リーディングパートよりも高めのスコア換算が設定されており、数問のミスがあっても満点を獲得することが可能です。
公式問題集によると、リスニングパートの満点は91問から100問の正解で、435点から495点の範囲になります。したがって、たとえば9問までミスしても満点を目指せる場合がありますが、ミスが多くなるとスコアは400点前半にも落ちることがあります。
リスニングパートで満点を狙う場合、96問以上の正解を目指すのが良いでしょう。これにより、リスニングスキルを最大限に発揮し、理想のスコアを目指すことができます。
リーディングのスコア換算
リーディングパートはリスニングパートに比べて難易度が高く、スコアを伸ばしにくいとされます。さらに、スコア換算も厳しく設定されています。
公式問題集によると、リーディングパートの満点は96問から100問の正解で、460点から495点の範囲になります。この範囲はリスニングパートに比べて狭いです。
しかし、実際の受験者の体験によれば、リーディングパートでも1〜2問のミスで満点に到達することが可能です。したがって、リーディングスコアで満点を目指す場合、98問以上の正解を目指すのがベストです。
これにより、リーディングの問題を正確に理解し、最高のスコアを目指すことができます。
TOEICのスコア換算表
「TOEICスコアは単純計算ではない」と繰り返しお伝えしてはいますが、実際には素点(正解数)によってある程度のスコアを予測することができます。
以下は、両パートのスコア換算表です。あくまでも予測スコアになるため、参考程度にしておきましょう。
TOEIC リスニング 素点
TOEIC リーディング 素点
TOEICスコアの基準
TOEICの運営団体が発行しているTOEIC公式問題集にも、参考スコアの算出方法が掲載されており、素点に対応する換算点の範囲を知ることができます。
※「TOEIC公式問題集 Listening & Reading 4」に掲載されている内容です。
TOEICリスニングスコアの換算基準
点数ごとのTOEICリスニングスコアの換算基準をご紹介します。
- TOEIC リスニング200点
- TOEIC リスニング300点
- TOEIC リスニング400点
以下で詳しく解説します。
TOEIC リスニング200点
素点: 51〜55 → スコア範囲:210〜280点
51問以上正解すれば200点に到達できるでしょう
TOEIC リスニング300点
素点: 71〜75 → スコア範囲:320〜390点
71問以上正解すれば300点に到達できるでしょう
TOEIC リスニング400点
素点: 86〜85 → スコア範囲:405〜475点
86問以上正解すれば200点に到達できるでしょう
TOEICリーディングスコアの換算基準
点数ごとのTOEICリーディングスコアの換算基準をご紹介します。
- TOEIC リーディング150点
- TOEIC リーディング250点
- TOEIC リーディング350点
- TOEIC リーディング450点
以下で詳しく解説します。
TOEIC リーディング150点
素点: 46〜50 → スコア範囲:165〜240点
46問以上正解すれば150点に到達できるでしょう
TOEIC リーディング250点
素点: 61〜65 → スコア範囲:250〜335点
61問以上正解すれば250点に到達できるでしょう
TOEIC リーディング350点
素点: 81〜85 → スコア範囲:370〜440点
81問以上正解すれば350点に到達できるでしょう
TOEIC リーディング450点
素点: 96〜100 → スコア範囲:460〜495点
96問以上正解すれば450点に到達できるでしょう
TOEICとTOEFL/IELTS/英検を比較
第二言語として英語を使う人は世界中で増加しており、ノンネイティブの英語力を測るためにさまざまなテストが実施されています。
テスト内容は日常的な英語のコミュニケーション能力を測るものから、専門的な知識を問うものまでさまざま。
英語力を測るために何かテストを受けてみたいという方は、目的に合わせて自分にあったテストを見つけることをおすすめします。
各種テストの特徴
各種テストの特徴をざっくり説明いたします。
- TOEICとは?
- TOEFLとは?
- IELTSとは?
- 英検とは?
- その他のテスト
ひとつずつ詳しく解説します。
TOEICとは?
TOEICは、ビジネスシーンでの英語力を測る国際的な試験です。主にリスニングとリーディングの2つのパートで構成され、それぞれで最高495点、合計で最高990点を目指します。TOEICは企業の採用や昇進に影響を与えることがあり、日本を含む多くの国で利用されています。
TOEICとTOEFL、英検との違いは、主に試験の目的と対象です。TOEFLは大学進学や留学を目指す学術的な試験で、英検は幅広い英語能力を測る日本国内向けの試験です。一方、TOEICはビジネスに特化し、実用的な英語力を測ることが特徴です。これにより、それぞれの試験は異なる目的に沿った英語力の評価を行っています。
TOEFLとは?
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、主に大学進学や留学を目指す人々が受ける英語能力試験です。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションで構成され、アメリカやカナダを含む世界各国の大学で広く認められています。
TOEFLと他の試験との主な違いは、試験の目的と対象です。TOEFLは学術的な英語力を測ることに特化しており、大学の授業や論文執筆に必要な英語力を評価します。一方、TOEICはビジネスシーンでの英語能力を測る試験であり、英検は日本国内の幅広い英語力を測定します。
TOEFLは、特に北米の大学進学や留学を希望する人々にとって重要な試験であり、試験内容や評価基準がそれぞれの目的に応じて設計されています。
IELTSとは?
IELTS(International English Language Testing System)は、英語圏への移住や大学進学、就労ビザ申請など、国際的な目的で英語力を評価する試験です。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのスキルを評価し、各セクションで得点を加算して総合スコアを算出します。
IELTSと他の英語試験との違いは、評価方法と受験目的です。IELTSは特に移住や留学、就労のために設計されており、実際のコミュニケーション能力や社会での英語使用能力を試験します。一方、TOEFLは主にアカデミックな英語力を評価し、TOEICはビジネス環境での英語力を測定します。
IELTSは英国やオーストラリアなど多くの国で認められており、受験者は自身の目的に合わせて選択できる柔軟性があります。
英検とは?
英検(英語検定)は、日本国内で行われる英語能力試験で、日本英語教育協会が主催しています。英検は日本語環境での英語力を測定し、日本国内の学校や企業での採用や昇進に利用されることが多いです。
他の英語試験との違いは、主に受験対象と試験内容です。英検は日本国内の生活や仕事で必要な実用的な英語力を評価するため、日本語での問題文や日本独自の文化や習慣に関する問題も含まれています。一方、TOEICはビジネス英語、TOEFLは学術英語、IELTSは国際的なコミュニケーション英語を測定します。
英検は級ごとに難易度が設定されており、一定のレベルをクリアすることで英語能力の証明として認められます。
その他のテスト
ケンブリッジ英検
ケンブリッジ英検は、ケンブリッジ大学が主催する英語能力試験で、世界各国で認められています。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能が評価され、CEFR(共通ヨーロッパ言語参照枠)に基づくレベル証明が得られます。
》https://www.cambridgeenglish.org/jp/
国連英検(国際連合公用語英語検定試験)
国連英検は、国際連合の公用語である英語の能力を測る試験です。国連の仕事に必要なリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの能力を評価し、合格することで国連公式の英語能力証明書が発行されます。
》http://www.kokureneiken.jp/
ビジネス翻訳資格
ビジネス翻訳資格は、ビジネス文書の専門知識と高度な翻訳技術を要求される資格です。国際ビジネスや法律文書の翻訳に特化し、専門的な知識と高い精度が求められます。
》https://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html
TOEIC/TOEFL/IELTS/英検のスコア換算表
先ほどご紹介した各種テストを比較するために換算表を用意しました。テストによって問われる内容が異なり単純に比較できるものではありませんので、あくまでも参考程度にご覧ください。
また、TOEIC L&R経験者が事前対策なしでTOEFL、IELTS、英検を受験するとより低い結果になることがあります。これらの試験は英語の4技能を測定するため、TOEICだけ経験しており「話す」「書く」ことに慣れていない人は、事前の対策なしではまったく歯が立たないこともあります。
どの試験でも事前に問題の傾向を掴んだり、対策をとっておくことが大切です。
IELTS | TOEFL iBT | TOEFL CBT | TOEFL PBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 120 | 297-300 | 673-677 | – | |
8.5 | 119 | 293 | 670 | – | |
8.0 | 117-118 | 287-290 | 660-667 | – | |
7.5 | 109-116 | 267-283 | 630-657 | 970-990 | |
7.0 | 100-108 | 250-263 | 600-627 | 870-970 | 1級 |
6.5 | 90-99 | 233-274 | 577-597 | 820-870 | |
6.0 | 80-89 | 213-230 | 550-573 | 740-820 | 準1級 |
5.5 | 69-79 | 192-212 | 521-549 | 600-740 | |
5.0 | 61-68 | 173-190 | 500-520 | 550-600 | 2級 |
4.5 | 52-60 | 150-170 | 470-499 | 500-550 | |
4.0 | 45-51 | 130-149 | 450-469 | 450-490 | 準2級 |
3.5 | 33-44 | 110-129 | 400-449 | 300-440 | |
3.0 | 29-32 | 100 | 391-399 | 291-299 | 3級 |
2.5 | 20-28 | 90 | 390 | 270-290 | |
2.0 | 12-19 | – | 350-389 | 260-269 | 4級 |
2.5 | – | – | – | 100-259 | 5級 |
正確な実力を測るなら3回の受験で平均値を出そう(スコア換算)
TOEICは、英語力が同じであればスコアは変動しないように作られていますが、±50点程度は変動することもあります。
それはテストを受けるときのコンディションによっても結果が変わってくるからです。
体調が万全ではなかった、隣の人の紙をめくる音が気になって集中できなかった、電車の音でリスニングが聴きとれなかった、などが影響して実力を発揮できないこともあります。
そのため、正確な実力を把握したい場合は1回のテストだけで判断せず、3回テストを受験して平均値を出してみてください。それがあなたの今の実力です。
英語力を向上させるためには、継続的に学習を続けることが大切。テストを受けて実力を把握したら、あとは目標スコアに到達するための具体的な学習スケジュールを作ってみましょう。