TOEICの勉強法を徹底解説! 中級者の入り口600点、夢の800点へのアプローチ方法
「仕事でTOEICのスコアが必要になったけど、どこから手をつければ良いかわからない」「あの会社に転職するには◯◯◯点が必要だけど、どんな勉強法が効果的なんだろう?」
突然TOEICのスコアが必要な状況に追い込まれたり、初めてTOEICを受験するような人にとって、どのようなTOEICの勉強法が良いかは気になりますよね?
実は、TOEICの勉強方法は、各スコア帯ごとにある程度確立されています。
この記事では、これからTOEICの勉強を始めて中級者レベルの600点を目指す人から、上級者レベルの800点超えを目指す人にまで、目標スコアまで引き上げるために必ず役に立つ勉強法を解説しています。
Contents
勉強法の前に……まずはTOEICについておさらい
TOEICは、アメリカの教育系非営利団体であるETSが監修する英語資格で、Test Of English International Communicationの略称です。文部科学省後援の「英検」と並び、TOEICは日本で最も有名で広く使われる英語資格のひとつです。
TOEICには「TOEIC Listening & Reading」と「TOEIC Speaking & Writing」、「TOEIC Bridge」がありますが、一般的にTOEICといえば「TOEIC Listening & Reading」を指します。以下、本記事における「TOEIC」の記載は、「TOEIC Listening & Reading」だと思ってください。
TOEICは英検のように合格・不合格で判定されるわけではなく、受験者はレベルに関わらず共通の問題を解き、得点率と平均点から「スコア」が算出されます。能力が数値化されるので、より正確な英語力を測定することができます。
就職や転職で有利になったり、昇給や昇進の要件になっている事も多く、社会人やビジネスマン、就職を控えた大学生などの受験者が多いのも特徴です。そのため、特に中級者の入り口となる600点、上級者の入り口になる800点の勉強法はある程度確率されています。
TOEICの点数が上がらない理由は勉強法が悪いから?
間違ったTOEICの勉強法をしても、思ったようにスコアは伸びません。
基礎英語力に問題がある
TOEICの問題というと、「ビジネス英語だからレベルが高そう」と感じる人がいますが、実際は基礎レベルのものが多く、中学・高校で習ったことを復習すれば、解答できる問題は少なくありません。
「Whenから始まる疑問文に対しては、時間について解答する」や、「文中にYesterdayと記載されているから動詞を過去形にする」などのテクニックもそのひとつ。
特にリスニングセクションのPart2や、リーディングセクションのPart5では、中学英語レベルでも解答できる問題が多いのです。
TOEICの単語に慣れていない
TOEICには中学・高校に習わなかった単語や、英検などの試験では使用されていない単語も出題されます。しかし、これらの多くは専門的な単語ではなく、英語圏では日常的に使用されていたり、ビジネス英語を話すうえで必要不可欠なものばかりです。
つまり、TOEICの対策として頻出単語を頭に入れておくと、日常会話でもビジネス英語でも、バランスよく使っていくことができます。
「TOEIC L&R TEST 出る単特急金のフレーズ」 「キクタン TOEIC SCORE 600」などの、TOEICの頻出単語に特化した単語帳で、しっかりと対策をしておきましょう。
TOEICの形式に慣れていない
TOEICでは「基礎英語力」だけでなく「情報処理能力」も必要になります。TOEIC 800点を持っている人でも、最後まで問題を解ききることができないくらい、「素早く、正確に」問題を解く力を試されます。
800点以上の高スコア帯を狙うのであれば、基礎学習だけでなく、過去問をなんども演習して、時間感覚や問題の解き方を身につける必要があります。
また、初級者や中級者であっても、解くべき問題と捨てるべき問題がわかるようになれば、劇的にスコアアップする可能性もあります。
TOEICの勉強法の前にマインドセットを
TOEICを勉強する目的を書き出してみよう
あなたがTOEICを勉強する目的は何ですか? 昇進、昇給、転職活動、就職活動を有利に進めるため、大学の単位、大学院試験の要件を満たすため、留学の要件を満たすため……
TOEICのスコアアップにはさまざまな目的があるでしょう。それを、できる限り紙に書き出してみましょう。その上で「SMART法」を利用して、より目的を具体化させましょう。
SMARTで目標を立てる | |||
S | Specific | 具体的 | 英語を使う仕事に転職 |
M | Measurable | 測定可能 | TOEIC 800点を取得 |
A | Attainable | 到達可能 | 1日に3時間学習できれば可能 |
R | Relevant | 関連性 | 残業を減らす、家族の理解を得る |
T | Time Bound | 期限 | 3ヶ月以内(遅くとも半年) |
目標を達成するために必要なTOEICのスコアを算出しよう
目標を達成するのに、必要なスコアを算出してみましょう。例えば転職活動を有利に勧めたいのであれば、業界が求めるスコアがいくらなのかを調べてみましょう。
即戦力で英語を使う部署の求人であれば、800点以上をスコアが最低条件かもしれませんし、高い営業力が必要な要件で、英語力は順次身につけていく方針なら、600点でとても高評価を得られるかもしれません。
現在の自分のレベルや、世間的なTOEICの評価がどうかは関係なく「今の自分にとって必要なスコア」に焦点を合わせて目標スコアを設定しましょう。
目標期間と1日の学習時間を算出しよう
TOEICを勉強する目的と目標のスコアを設定したら、そのスコアと目標を達成するために必要な期間と1日の勉強時間を計算してみましょう。目標のスコアに到達するために必要な教材や学習方法を選び、こなすのに必要な期間を算出します。
例えば、3か月後にTOEIC600点を取りたくて、英語は苦手だけど中学英語レベルはこなせる自信があるのなら、TOEIC頻出の単語帳と過去問を購入します。
そして、単語帳を2か月で終え、その後1か月を過去問演習に集中するような計画にするとして、2か月で単語帳を終えるために、1日につき何個の単語を覚える必要があるのかを算出します。
目的や目標を明確にすることで、より精度の高い英語学習が可能になり、成果につながれば、学習を継続するモチベーションも高く保つことができます。
最短でTOEICのスコアアップを狙いたい方は、イングリードのTOEIC点数保証コーチングコースをぜひご検討ください。
初心者がTOEIC600点を取得するまでに必要な勉強法
英語初心者がTOEIC600点をとるまでに必要な勉強法を解説します。
TOEIC600点はどのくらいのレベル?
TOEIC600点は、一般的に日常会話レベルが出来るレベルとされ、就職活動で評価され始めるスコアになります。
TOEIC受験者全体の平均スコアが580点程度ですから、600点を超えれば平均スコアを超えた事になり立派な中級者と言う事が出来ます。
(TOEICの平均スコアとスコア分布)
これからTOEICの勉強を始める人が、まず最初に目標にするスコアと言って良いでしょう。
TOEIC600点を取るための勉強法/単語編
TOEIC600点を取るための単語力を身につけるためには、600点というスコアを取得することに焦点を当てた単語を集中して勉強する事をおすすめします。
過去問を演習してわからない単語を覚えていくには、まだ単語量が足りなさすぎて覚えるべき単語が多くなり過ぎるためあまり効率的ではありません。
TOEIC600点を取るためには、取るべきものに勉強を集中させるのが効率が良いわけです。
単語に関して言えば、「キクタン TOEIC L & R TEST SCORE 600」や「TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」が良いでしょう。TOEIC600点を取るために必要な単語がギュッと凝縮された単語帳です。
TOEIC600点を取るための勉強法/リスニング編
TOEICで600点を取得するには、特にPart2の対策に力を入れるのが良いでしょう。8割は簡単に取れるようになるはずです。
Part2はリスニングセクションの中でも、短文で簡単なため最も短期間で大きく伸ばす事の出来るパートです。ディクテーションやシャドーイングなどで重点的に対策をしましょう。
また、TOEICの形式を上手く使って、イントロダクション音声が流れている間にPart3~Part4の問題文を先読みする技術も身につけましょう。TOEICでは、取れる問題を確実に取り、取れない問題は賢く捨てる事がとても重要になります。
イントロダクション音声は一度でもTOEIC試験や過去問を解いたことがある人なら知っている内容を説明しているだけなので、取れる問題を1問でも多くするためにも、先読みの技術を身につけておきましょう。
TOEIC600点を取るための勉強法/リーディング編
TOEICで600点を取るためのリーディング対策としては、Part5の対策を重点的に行うと良いでしょう。それは、リーディングセクションで最も伸ばしやすいのがPart5だからです。
実は、Part5は「Yesterdayと書いてあるから過去形を選ぶ」など、中学英語レベルで即答出来る問題も多いのです。「難しそうだから」という理由だけで見逃してしまいそうな得点源を、見逃さないように過去問の演習に取り組みましょう。
Part5はどんな思考回路で解けば良いのかが解説された「究極のゼミ Part5〜Part6」という参考書があるので、3周くらい回してみると良いでしょう。
また、長文読解にあたるPart7に関しても、取るべき問題と、賢く捨てるべき問題をわけることで、TOEIC600点の壁を破れる可能性があります。
初級者〜中級者がTOEIC700点を取得するために必要な勉強法
英語初心者〜中級者がTOEIC700点をとるまでに必要な勉強法を解説します。
TOEIC700点はどのくらいのレベル?
TOEIC700点は、英語を使って能動的に仕事を行えるレベルです。簡単な日常英会話に留まるTOEIC600点とは、大きな違いがあります。
TOEIC700点を取得すれば、航空業界や旅行業界など、英語を日常的に使用する職種への就活でも有利になります。また、企業において、昇進や昇格のために700点以上のスコアが要求されることもあります。
TOEIC700点を取るための勉強法/単語編
TOEIC600点を、リスニング力やリーディング力で取得し、TOEIC600点レベルの語彙力がない場合は、600点レベルの単語から学習し直してください。
TOEIC600点や800点を目標とする方向けの単語帳は数多く販売されていますが、700点向けの単語帳は、あまり販売されていません。よって、問題演習の中で分からなかった単語をメモしていくか、600点・800点向けの単語帳を使用しても構いません。
TOEIC700点を取るための勉強法/リスニング編
リスニングの中でも簡単なパートである、TOEICパート1・2を重点的に学習しましょう。「8割以上」ではなく、満点を取るつもりで学習をしてください。
TOEICパート1・2は問題数が多くありません。よって実践問題を解いていても、パート1・2の学習ができる機会は限られています。
パート1・2に絞った参考書を購入して、重点的に対策をしてみるのもおすすめです。
TOEIC700点を取るための勉強法/リーディング編
リーディングの中でも簡単なパートである、パート5・6を重点的に学習しましょう。
パート5・6は、問題形式が似ています。つまりパート5が解けるようになれば、パート6も同じ容量で解けるので、一気にスコアアップが期待できます。
パート5・6の穴埋め問題は、品詞問題・語彙問題・文法問題の3パターンに分類されます。「どのパターンが苦手なのか」を認識し、苦手なパターンを一つずつ潰していくことが大切です。
中級者がTOEIC800点を取得するまでに必要な勉強法
英語中級者がTOEIC800点をとるまでに必要な勉強法を解説します。
TOEIC800点はどのくらいのレベル?
IIBCのデータによると、2020年1月に開催されたTOEIC公式試験でTOEIC800点以上を取得した割合は13.3%という結果に。TOEIC受験者のうち上位約1割の英語力ということになります。英検上位級のひとつである英検準1級にも張り合う英語上級者の証です。
TOEIC800点にもなると能動的に英語で仕事ができるベースを持っていることになるので、就職や転職で選択肢が増えてきます。外資系企業への転職や、国際部門への配属、海外駐在員への道も視野に入ってくるでしょう。
特に新卒採用の場合は、TOEIC800点を取得することでほとんどの大企業や外資系企業で有利に選考をすすめることができるでしょう。
中途採用はこれまでの経験も評価されるので、TOEIC800点だけあれば良いわけではありませんが、充分な実務経験に加えて海外でも通用する高い英語力がアピールできればキャリアアップに繋がるはずです。
TOEIC800点を取るための勉強法/単語編
TOEICで800点を取るための単語の勉強法は、大きく2つに分けられます。
- TOEIC 800点突破に特化した単語帳を用いる勉強法
- TOEICの過去問でわからなかった単語を覚える勉強法
単語帳を用いる勉強法の場合は、TOEIC800点突破に特化した単語帳を用います。「キクタン TOEIC L&R TEST SCORE 800」や「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」を利用すると良いでしょう。
また、TOEICの過去問を演習して、知らなかった表現をメモして覚えていくのも効果的です。
800点を目指す段階になると、基本的な単語は既に頭に入っているはず。わからない単語が残り少ないという状態なら、過去問の演習をしながら自分のわからない部分をピックアップして勉強するのが非常に効率的です。
TOEIC800点を取るための勉強法/リスニング編
得点率を伸ばしやすいPart1〜Part2だけではなく、Part3〜Part4でもしっかりと高得点を狙っていく必要があります。過去問のリスニング音声Part3〜Part4を使って、オーバーラッピングやシャドーイングを実践すると良いでしょう。
リスニング音声通りに発音していくことで、LやR、THや音声の変化に敏感になり、正確に聞き取る事ができるようになっていきます。また、何度もリスニングスクリプトに触れておくことで、TOEICのリスニングに頻出の表現やパターンを掴むことも出来るので一石二鳥です。
TOEICのテクニックだけではなく、本質的な英語力も培われていきます。
TOEIC800点を取るための勉強/リーディング編
TOEICで800点を取るためには、リーディング問題全体を最後まで解ききる必要があります。そのため、「素早く正確な読解」がができるように音読学習に取り組みましょう。
音読をしながら、音読するスピードに合わせて「文頭から文末にかけて英文の意味を理解する」という意識が大切です。
英語を英語のまま文頭から正確に理解していく意識を養うことで、返り読み(英文を読み返す事)を減らして、正確にかつスピーディに読み進める事が出来るようになり、リーディング問題を最後まで解ききる事に繋がります。
音読を実践する題材としては、公式問題集などの過去問や究極の模試600+、至高の模試600などの、本番の再現率が高い模試のリーディングセクションでも良いですが、おすすめは「TOEIC L&R 読解特急2 スピード強化編」です。
TOEIC本編を再現した文章に、文章を読むスピードの目安(RPM)を意識してトレーニングする事ができます。
忙しい社会人にこそ実践してほしい隙間時間をつかった勉強法
仕事が忙しい社会人にとってTOEIC学習の時間を確保するのは大変です。しかし、隙間時間を利用した勉強方法もあるので、いくつか紹介していきます。
仕事をしながらの勉強法①/通勤時間中にリスニング音声を聞いておく
電車やバス、新幹線、飛行機の移動時間はTOEICの学習に最適です。スマホに入れたリスニング音声を流してのシャドーイングを実践することができます。
もちろん大きな声を出してシャドーイングをすることはできませんが、頭のなかで聞いた音を再生するサイレントシャドーイングでも十分に効果があります。
片道45分の通勤であれば、往復で1時間半、平日5日の通勤で7時間半のシャドーイングが可能になります。
「移動時間はシャドーイング」という癖をつければ、ライフスタイルの中に、自然と英語学習を取り入れることができます。
毎日重たくて分厚い参考書を持ち歩くのは大変です。以下の記事で、TOEIC対策ができるスマホアプリを探して、いくつかインストールしておきましょう。
「移動時間くらい……」と思うかもしれません。しかし移動時間での積み重ねが、1ヶ月2ヶ月経つと、スコアとして表れるはずです。
仕事をしながらの勉強法②/スキマ時間に単語を確認しておく
ランチ休憩や移動時間、訪問先に早く到着した時など、あらゆる隙間時間で単語帳や過去問でまとめた単語ノートなどを見る習慣をつけましょう。
単語を最も効率良く覚える方法は「単語との遭遇率を上げること」です。
単語帳やノートをいつでも開けるように、常に持ち歩いておくと効果が高いでしょう。
まとめ:TOEIC600点や800点を取るための勉強法は確立されている
今やTOEICのスコアは、特に日本の就職、転職市場での共通言語となり、その需要を無視するのはほぼ不可能となりました。それにともない、英語が苦手だったり、英語に興味が無かったたくさんのビジネスパーソンや大学生たちもTOEICを受験するようになりました。
- 残業がどれくらいあるのか
- 通勤時間はどれくらいか
- 週に何回の飲み会に参加しているのか
- 週末はなにをしているのか
- 趣味に費やしている時間はどれくらいか
- テレビやYouTubeはどれくらい視聴しているか
これらの視点から「空いている時間」と「削れる時間」を算出し、最大公約数で週間の英語学習スケジュールを組んでみてください。
その上で、本記事で紹介したような効果的な英語学習を実践していけば、中級レベルの600点にとどまらず、夢の上級レベルの800点にまでスコアを伸ばすこともできるでしょう。